「ステップ!ステップ!ステップ!」

NYの子供たちが社交ダンスに夢中!

世界中で喝采の感動ドキュメンタリー

 ニューヨークの小学生たちがボールルームダンス(社交ダンス)を踊る。それがまたかわいくて、絵になっている。映画「ステップ!ステップ!ステップ!」は、小学生たちが、ものの見事に社交ダンスを踊るようになるまでを描いたドキュメントだ。

ステップ!ステップ!ステップ!  ニューヨーク市の公立小学校に、児童育成プログラムとして社交ダンスが取り入れられたのは10年前。いまでは60以上もの小学校が、週2時間10週にわたってのレッスンを行っている。ちびっ子たちは5年生。指導員は先生と協力し、ダンスの初歩から、手とり足とり、紳士・淑女のたしなみとしてのダンスを教えていく。
 市内のワシントンハイツ第115校。ドミニカ共和国からの移民が多く住む一角で、ほとんどが貧しい家庭の子どもたち。貧しいけれど、そこはドミニカ。子どもたちのダンスの才能は天賦のものがあって、年一回のコンテストで昨年は上位に入賞、今年は優勝をめざしている。先生はやはりドミニカからの移民のヨマイラ。指導員には、ダンスは楽しいものと考えているロドニー。
 ブルックリンのベンソンハースト第112校。もとはイタリア系移民の町だが、最近ではアジア系が急増している。両親たちはダンス・プログラムを支持、熱心に応援している。ユーモアたっぷり、笑いを振りまいて教えるのはビクトリア先生。
 トライベッカ第150校。再開発でトレンディな町に変身したところ。子どもたちはおませな子が多い。昨年は準優勝。プレッシャーを感じながらも、今年は優勝を狙っている。先生は、代表にもれた子にも気を配るアリソン先生。指導員は、コミュニケーションが大事と考えているアレックス。
ステップ!ステップ!ステップ!  子どもたちの表情がとてもいい。初めての経験に戸惑い、照れ、見栄をはる。カメラはその自然な表情を、自然に捉える。会話も微笑ましい。男の子も女の子も、それぞれ悪口を言い、それぞれの品定めをする。どちらかというと、男の子は幼く、女の子はおしゃま。
 授業が進むうちに、子どもたちのダンスが、少しずつさまになってくる。パートナーを気遣い、思いやる気持が自然に芽生えてくる。先生、指導員の教え方にも変化が・・・。
 ダンスはメレンゲ、ルンバ、タンゴ、フォックス・トロット、スゥイングの5種。意味や由来をわかりやすく説明する授業も見事である。
 いよいよ、地区予選が近づいてくる。授業もしだいに熱を帯びてくる。
 この10年、ニューヨーク・シティの未成年の非行が減ったという。このダンス効果が現れつつあるのかもしれない。
 日本でもやっと、小学生から高校生のボールルームダンス・コンテストが開かれているようだ。さらに広がるといいですね。

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