お手紙紹介

ロシアの少女

ロシアの少女

みんなのお手紙① 
「ふくれっつらな女の子へ」

「ふくれっつらな女の子へ」 ※クリック or タップでPDFが開きます。
奥村 高明 先生 奥村 高明
先生

ほおの表現から「ふくらみ」を感じて、それを「ふくれっつら」ととらえ、それが笑いなのか怒りなのか、どちらにもとらえられる感情として受け取っています。一方で、赤や青、黄のロシアの民族衣装が女の子に欠かせないことを「にあっている」と感じています。確かに、顔の「ふくれっつら」と「にあっている」服が一緒に表されていることは「不思議」です。異国にいるロシアの亡命貴族の娘である『ロシアの少女』の不安や複雑さを、深くとらえているお手紙かもしれません。

みんなのお手紙② 
「名前のないあなたへ」

「名前のないあなたへ」 ※クリック or タップでPDFが開きます。
奥村 高明 先生 奥村 高明
先生

まるで、本当に相手がいるように「元気ですか?」と語りかけています。「寒い冬がやってきました」は、女の子の来ている服から考えたことでしょう。「元気がなさそう」なのは、下向きのまなざしや、女の子の表情からうかがいとったものでしょう。手紙を書くということは、相手を友達のように感じることです。絵に描かれた女の子と、この手紙を書いた子供は、もう友達です。だから「名前のないあなた」が「元気になる」といいなと「あなたの知り合い」が願っているのです。

みんなのお手紙③ 
「ロシアの少女へ」

「ロシアの少女へ」 ※クリック or タップでPDFが開きます。
奥村 高明 先生 奥村 高明
先生

鑑賞では、題名を参考にして考えることも大切です。まず、題名『ロシアの少女』から、女の子が「ロシアにはいない」と考えます。「とてもさびしそうに」見えるのは、「フランス(という外国)にきて」いるからだろうと推測します。そして、「だれが何を話しているか分からない」だろうけど、慣れることが大事だと話しかけます。服からロシアの伝統や文化を取り出し、わが国の伝統的な着物と対比させ、それを着ることが寂しい気持ちを変えるだろうといいます。女の子を取り巻く状況に想いを寄せながら語る温かさが心に残ります。

みんなのお手紙④ 
「ロシアの少女へ」

「ロシアの少女へ」 ※クリック or タップでPDFが開きます。
奥村 高明 先生 奥村 高明
先生

女の子の視線がこちらを向いていないことを「そっぽをむいてかなしそう」ととらえます。そうだとすると「カラフルでいろんな線が入り混じったその服」や「ネックレス」はきれいだけれども、哀しそうな表情とは一致しません。その違和感から、「まわりからの目を気にしすぎず、自分の好きな服を着て、のびのびと生きて」という言葉が生まれます。それは、この子の願いでもあるのでしょう。絵の人物と交流し、共感することで、自分のあり方も見つめ直しているのかもしれません。