この子は、絵に描かれた「六つの椅子」に語りかけています。椅子になりきって「軽い人や重い人」など「いろんな人に座られ」たり、「水でぬらされ」ひんやりとした思いをしたりするなど、重さや肌の感覚を働かせています。「キシキシと弱っている」のは、自分の経験と重ね合わせ、絵から音を聴いているのでしょう。そして椅子にわが身を投げ込んで感じ、考えたことをもとに、「あなたはとてもカラフルで素敵な椅子です」と元気づける言葉をかけています。この絵を椅子の視点から見るのは、この子と作者くらいかもしれません。
お手紙紹介
カフェ・レストラン

先生
手紙を書いた子は「考えることがたくさんあるから」この絵を選びました。「イタリアンかフレンチのお店」は自分の経験を反映して考えたことでしょう。「おしゃれなピアノの音楽」がなっているのは、この子が絵から『音』を聴いていることを示しています。「ワインボトルがたくさんある」は、店主の背後にある棚から見つけたことです。人々がワインや食事を楽しむ「おしゃれな店」に「行ってみたい」と言っていますが、すでに、この子は、この絵の中に入り込んで、十分に楽しんでいます。