ICT・Educationバックナンバー
ICT・EducationNo.47 > p20〜p21

情報デザイン指導実践例
受信者を意識した情報発信
さいたま市立浦和高等学校 鈴木 直子
1.単元のねらい
○メディアリテラシーを身につける。
○さまざまな受信者に配慮した情報発信をできるようにする。
○受信者への効果的な画面構成・フォントの選択・色彩を考えられるようにする。
2.学習の流れとその内容
 最初にワープロソフトの実習を2時間行い,操作の基本を習得させました。

○1時限目
 通信文の作成時に使用するフォント・段落・ページ設定・作表方法を中心に指導しました。

○2時限目
 画像やワードアートの挿入・テキストボックスの詳細な使用方法・印刷時の注意を指導しました。

 3時限目から課題に入ります。

○3時限目
—課題の説明
 内容:部活動・学校・自己・地元の紹介・文化祭の案内等
 形式:A4 1枚,印刷し掲示
 情報の受信対象者:各自で想定
 評価:クラス内相互評価(投票)

 ここで,各自が情報の発信者としての立場(責任)を明確にすること,反対に受信者を想定して,彼らが欲する情報や彼らへの配慮といった観点から注意を促します。自分の嗜好に偏ることなく,受信者の立場に立って考えることに重点を置きます。その後,次回の授業までに校内掲示物や街中・公共交通機関等を観察するよう指示します。その時に,本校PC室から見える,廊下をはさんで窓越しにある壁に張られた大学やセミナーのポスター等を例にとり観察の視点を確認しました。

  • 紙面の分割(2分割にもさまざまなやり方がある)
  • 見出し ・ 画像の位置
  • フォントの書体(明朝体とゴシック体の違いをソフトウェアで見せ,どの部分にどの書体が使われているか注目させる)
  • 配色 ・ 使用されている色の数とその組み合わせによる印象の違い(季節・年齢・性別などを意識したもの)
  • 発信する情報の内容(著作権法にも触れる)

○4・5時限目
—課題作成
 机間巡視をしながら,口頭でどのような受信者を想定しているかを確認。アプリケーションの操作についての質問を受けつけます。

○6時限目
—課題
 提出印刷を行います。この時に,レーザー・インクジェットの色の相違を確認できるよう両プリンタでカラーチャートを印刷し,後ろの黒板に張っておきます。送信画面とプリントを比較し,色の3原色と光の3原色の相違を実際に目で確認し,各自の印刷物がイメージに近いものになるよう調整。課題作成レポートに記入の上,提出となります。
—相互評価
 同じクラス内で,鑑賞・投票し合います。1人3票,選考理由も添えて記入し,教員が集計,8クラス出そろったところで,得票上位者の作品を廊下に掲示し,最後にもう一度鑑賞します。※注1

生徒作品例1
▲生徒作品例1

生徒作品例2
▲生徒作品例2

生徒作品例3
▲生徒作品例3

生徒作品例4
▲生徒作品例4

生徒作品例5
▲生徒作品例5
注1:本実践にあたって,社団法人日本雑誌協会(JMPA)(http://www.j-magazine.or.jp)のWebサイトを参考にしました。
前へ   次へ
目次に戻る
上に戻る