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1.単元のねらい |
教科:工業
科目:デザイン材料
○明朝体やゴシック体をはじめとした,書体の違いや特性について理解する。
○文字の意味や構成を考え,さらに言葉のイメージを膨らませ,表現できるようにする。
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2.学習の流れとその内容 |
○第1時
(1)書体の分類
雑誌,新聞紙などで使われている文字を切り抜き,明朝体,ゴシック体,その他に分類させる。造形の特徴について説明し,黒板上で分類してみせてから作業に入らせた。(「正」「住」「袋」「命」などを例にした)
▲図1 書体の分類
○第2時
(2)分類の確認
生徒が分類した文字を黒板に提示し,正しく分類されているか確認する。
(3)書体,レタリング※注1についての説明
文字を分類させることによって文字の特徴を知り,さらに,異なる書体で書き連ねた「春夏秋冬」を見ることで,書体のイメージの違いをつかめるようにした。
▲図2 書体のイメージ
○第3時
(4)「春夏秋冬」の造形表現※注2
「春夏秋冬」から文字を1つ選び,造形表現させる。春夏秋冬の1文字をデザインさせる際は,事前に予告し,どのようなデザインにするかを考えてくるように指示した。
また,デザインさせる前にタイポグラフィー※注3について説明し,数点の例を提示してから作業に取りかからせた。
文字の造形を表現するには,言葉の持つイメージを膨らませることが大切である。作業に行きづまる生徒がいたらアドバイスをし,掘り下げて考えるように指導した。
▲図3 「春夏秋冬」生徒作品
○第4,5時
(5)「練馬」の造形
表現「練馬」の6種類の書体を用意し,デザインしたい書体を1つ選び,トレーシングペーパーに写させる。「練馬」の造形表現では,あくまでも文字が主役であることや,文字の配列なども考えてデザインするよう指示した。
▲図4 「練馬」生徒作品
(6)文字をデザインする
書き写した文字をカーボン紙を使ってケント紙に写し,文字をデザインさせる。
高校生にとって造形表現させる文字は,単純な文字がよい。「練馬」はイメージをつかみにくいようであり,作業が進まない生徒が多かった。
(7)作品のプレゼンテーションを行う
自分の作品について,デザインのコンセプトなどをプレゼンテーションさせる。プレゼンテーションを行うには,時間をもう1時間確保したほうがよいと感じた。
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注 |
注1:現在では文字のデザインのみならず,書体の選択など,レタリングという言葉が意味する範囲は広い。どこにどのような書体の文字を配置するかで,同じ文章でも印象が異なる。
注2:既成の文字を変形させたり,文字の一部にその文字の意味を象徴する形や絵柄を装飾的に用いることを,オーナメントという。
注3:タイポグラフィーとは,活字などを適切に配列し,印刷物などの文字の配列やレイアウトなどを整え,可読性のみならず,体裁としての美しさやページ全体のデザイン性を追究する技術のことである。現在では印刷物に限らずさまざまなデザインの中で目にすることができる。
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