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コンピュータ教育のバグ |
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砂漠の一粒・大海の一滴 —インターネットは情報の宝庫?—
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海でひと泳ぎした後でジュースでも買って飲もうと思って,水着の中に忍ばせていたコインが,泳いでいるうちにどこかへ行ってしまって…こんな経験はないだろうか。きっと,けっこうな数の方が,「そう言えば,そんなことあったよ」とおっしゃるはずである。とすれば,世界中の七つの海の底には,それこそ莫大な数の小銭が落ちていることになる。しかし,実際に海で泳いでいて小銭を拾ったという人は,落とした人に比べるとはるかに少ないのは言うまでもない話。
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インターネットは万国共通の情報ツール |
ところでインターネットは,どのくらいよく使われているのか。昨今ではパソコン以外からの利用方法もどんどん増えていることを考えると,実際には,日本中の殆どの人が,何らかの形でインターネットとかかわりを持って暮らしていると言えるだろう。とにかく,インターネットが,子どもからお年寄りまで,文字通り老若男女を問わず広く活用されている情報ツールであるというのは間違いのない事実である。インターネットの前身であるARPANET(アーパネット)ができたのですら,1960年代であり,産声をあげて僅か半世紀ほどの間に,世界中に根ざしたということになるから驚きである。しかも,マシンなどの環境面から見ても,機材の準備や接続にかかるコスト面から見ても,使い勝手は年々良くなってきている。
インターネットは便利だ。例えば明日の天気を知りたいのであれば,それが世界中のどこの天気であっても,ほぼ瞬時に天気予報の情報を探すことができる。例えば,旅行に出かける前に,たとえそれが初めて行く場所であっても,旅行先のさまざまな情報を事前に仕入れることも朝飯前だ。例えば,聞いたことのない言葉に出会ったら,それが人名や地名であっても,何らかの情報を引っ張り出せる可能性が高い。とにかく,さまざまな場面で役に立つ。
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選りすぐってこその情報 |
しかし,情報教育的な見地から見た場合に,「インターネットは便利ですから,どんどん使いましょう」という指導だけでよいのかと言うと,そうではない気がする。情報教育の目的である「主体的な情報活用能力の育成」ということを考えた場合に,インターネットから得られる情報の特徴は押さえておく必要があるのではないか。本質的な部分で,インターネット上にある数多の情報は,ただインターネット上にあるだけでは意味を成さないということを生徒たちにはきちんと認識させたい。
インターネット上には確かに有用な情報がたくさん存在する。しかし,その存在に気づき,しかも活用できる情報として,インターネット上から選んで切り取ってこなければ,意味がないのである。見方を変えれば,他のメディアでは考えられないほど多量の情報が存在するインターネットでは,自分にとってある程度以上の有効性を持つ情報を的確に引っ張り出してくるという作業が難しいのである。検索スキルをどうこう言う前に,先ずはこういう部分に気づかせるような指導が必要ではないかと思う。
大海の中には多くの魚が泳いでいる。しかし,実際に釣り上げてこなければ,口にはできない。どうすれば良い魚が釣れるのかを考え,そのために必要な知識や技術を学び,そして実践する。鰯が釣れるのか,鯛やヒラメが釣れるのか,それはあなたの腕次第。
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