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プロジェクト学習へのアプローチ |
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プレゼンテーション指導のツボ─2
どんな順序で何を話しますか ─構成案の作成─ |
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『プロジェクト学習へのアプローチ』について |
高等学校で,教科「情報」を学ぶ生徒たちの多くは,小中学校の段階で,相応のコンピュータ操作スキルやインターネットの利用方法を習得してくるようになりました。従って,小学校から中学校を経て高等学校へ至る情報教育の展開では,その段階に応じて情報活用能力を活かした,より主体的な学習活動が求められているといえるでしょう。そこで,実習をプロジェクト学習の形態にして,これに対応するという方法が考えられます。しかし,一般には「プロジェクト学習というと,指導が難しそうで,時間もかかるのでは」という感覚も根強く残っているかと思われます。そこで,毎回ひとつのポイントに絞ってプロジェクト学習の一場面で使えるような指導方法と展開例をご紹介し,プロジェクト学習へのアプローチの助けとしていただきたいと考えています。 |
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指導のポイント |
このシリーズでは,5回にわたってプレゼンテーションの指導について考えてみます。第一回では,(ICT・Education
No.32に掲載。日文ネットhttp://nichibun.net/でもご覧いただけます)どんなプレゼンテーションを実施するのかを考えるヒントとなるワークシートを提案しました。そこで作成したイメージツリーをもとにして,今度は実際にプレゼンテーションに盛り込む内容を考えてみる段階へすすめましょう。
ややもすると,発表のテーマや課題を提示してすぐに,台本の作成に取りかかってしまいがちです。しかし,実はイメージツリー→コンセプトの記入→プロット(あらすじ)の作成という手順を踏んだ方が,よりスムーズに授業が運ぶことが多いと考えられます。また,この手順によって,プレゼンテーションで何を伝えるのかという本質的な部分も,生徒1人1人にきちんと把握させることができます。さらに,このようなステップを踏むことで,プレゼンテーションに対する苦手意識を払拭するという効果が出ることもあります。 |
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ワークシート「コンセプトシート」 |
活用場面
実施するプレゼンテーションに関するイメージがつかめた後,実際に盛り込む内容を考えるとき。
使用方法
プレゼンテーションを行う個人またはグループごとにワークシートを渡す。イメージツリー作成済みなら,それを見ながら記入させるようにする。まずテーマを記入する。プレゼンテーションに盛り込める可能性があると思いついた項目のなかから,実際に使いたいトピックを書き出す。その際に簡単な内容も添える。さらに,トピックごとにキーワードを記入させる。キーワードは内容から考えた重要語句でもよいし,話に盛り込むべき単語を挙げてもよい。トピックをいくつか挙げることができたら,それぞれのトピックの優先度を記入させる。優先度は順位をつける方式で1・2・3・・・と記入させてもよいし,A最優先,B優先度高い,Cなるべく使いたい,D余裕があれば使いたい,・・・というような記号を書き込む方法にしてもよい。
ワークシート活用の留意点
1.順序やストーリーはあとまわしする実際に発表を行う際の話の順序として考えてしまいがちになるが,ここでは,まだ話の順序やストーリーは考えなくてもよい。まずは,プレゼンテーションの骨組みを決める作業をしているので,順序にこだわると必要なトピックが抜け落ちてしまう危険性がある。
2.優先度は必ず記入する次のステップで構成を決めるので,ここで,プレゼンテーションに必ず盛り込むべきことと,そうでないことを識別しておく必要がある。
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ワークシート「プロット」 |
活用場面
盛り込むべきトピックの一覧が完成して,台本を作成する前。
使用方法
コンセプトシートを見ながら記入させるようにする。優先度をもとに,今度は実際にプレゼンテーションを実施する際の話の順序を考え,トピックを並べ替えながら記入させる。全体の実施時間に配慮しながら,それぞれのトピックに割り当てる時間を記入する。あわせて,必ず必要な効果(音響 ・数値データ・見本の提示など)が思い当たる場合は,記入させておく。ワークシートに記入する前に,トピックを1件ごとに1枚ずつカードに記入して並べ替えながら考えさせてもよい。
このワークシートのサンプルデータは,Nichibun.net(http://nichibun.net/)でダウンロードできます。
ワークシート活用の留意点
1.時間の記入が重要
プレゼンテーションの作成において,時間配分を行うことは大きな課題の一つである。実は,これが意外に難しく,重要でないトピックに多く時間を使いすぎたり,逆に予想以上に短く終わってしまったりすることがある。リハーサルを行う段階で,時間のことを意識しても手遅れである。内容の構成を考えるこの段階でこそ,時間尺を意識して,どのトピックにどの程度の時間を割くのかを大まかに割り振らせるようにしておかなければならない。こうすることで,最初の挨拶で規定時間の半分以上を消費するなどという失敗はなくなる。
2.確定ではない
次に台本を作成していく際に,また,リハーサルの後でなど,場合によってプロットは変化することがある。したがって,ここで作成するプロットはあくまで雛形的な意味合いで,今後プレゼンテーションの実施までに変更される可能性があることを確認しておくとよい。ただし,ここで,きちんとしたプロットをつくっておくことが台本作成をスムーズに進めるためには重要である。
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※このワークシートのデータはMicrosoft
Officeで作成したものです。 |
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