ドイツでは,使い捨てのカメラはあまり売れないという話を聞いたことがある。理由は,「使用後のリサイクルが難しいから」だそうだ。リサイクルできないモノは,消費者に受け入れられないなんて,なんとモラルの高い国民性なんだと感じてしまう。日本には「旅の恥はかき捨て」という諺がある。この言葉の真意は,旅に出たらしがらみは忘れて楽しもうということなのかもしれないが,海外旅行の時にモラルのない行動をする方々が,よくお使いになっている言葉であるというのも事実で…。
コンピュータ教育において指導しておかなければならないマナーやルールには,どのようなものがあるだろうか。いざ改めて考えてみると,これがどうも難しい問題であるということに気付く。マナーやルールとひと括りで言っても,そこには様々な守るべきマナーや知っておくべきルールがあるからである。ネットワークの匿名性を悪意を持って利用してはならないとか,知的所有権を侵害しないように気をつけるといった基本的なところから,共同利用しているマシンは勝手に環境を変えないなどという細かいところまで,思い浮かべてみても枚挙に暇がない。 マナーやルールというものは,自分と他人に危害・迷惑が掛からないように配慮するという発想に基づくものである。例えば,これを大雑把に分類してみると, ○やってはいけないこと ・法律に触れたり他人に損害が及んだりすること <例>マシンを叩いてはいけない。 ○使用上のルール ・マシンを使う上で守らなければならないこと <例>電源を入れてログオンする方法 ○利用者としてのマナー ・大切に気持ちよく利用するために守らなければならないこと <例>飲食しながら使ってはいけない。 ○自分自身を守るために ・被害者や加害者にならないために <例>個人情報をむやみに発信しない。等 というところであろうか。