川村学園は大正13年(1924)に「女性の自覚」を教育理想として目白の丘に川村女学院として開校し,まもなく80周年を迎えようとしている。平成7年7月,70周年記念事業の一環としての新校舎建設に合わせ「教育の情報化に積極的に対応しよう」という教育理念に基づき,総合的な情報教育の実践に乗り出した。 本学園の小学校・中学校・高等学校の情報教育の中枢的な役割を果たすことを目標とし,図書館や情報教育研究室,情報処理室3教室を,「情報教育センター」(平成13年度より教育支援センターと改称)とした。各教室には生徒用パソコンが50台ずつ,計150台を設置し,2教室がLANで接続され,インターネットも利用可能である。そこで,現時点での情報教育への各校の取り組みを紹介する。
本校の高等学校における授業でもそうだが,コンピュータリテラシーだけでは,情報教育はおさまらなくなってきている。授業開始当初は,ワープロや表計算,画像処理ソフトなどをきちんと使えるようにするのが目的であったが,コンピュータの進歩は急速で,現在の情報教育では,情報活用能力,問題解決能力,など日常の身の回りにある情報をどのように利用・処理・活用させるか,という分野にも目を向けさせるように変化してきている。 今までの授業を「理解・習得させる」という言葉でまとめるとすれば,今後の授業は「考えさせ・活用できるようにする」というように授業を変化させていかなければならないだろう。コンピュータの実習を通して「考えさせ・活用できるようにする」ための授業には,生徒と教師が一体となって,冷たいコンピュータの箱を触る授業ではなく,様々な身近な話題に触れ,言葉と言葉が飛び交うような生きた授業に展開していくことが不可欠であり,これこそが今後の情報教育の目指すところであろう。