制作された作品は,その教育的な価値や品質のみならず,作品が完成するまでにいかに協力しあえたか,インターネットの特性を活かしたインタラクティブ性の見られる作品かどうか,完成した作品が世界の人々からどれだけ広くアクセスされているか,またその可能性があるかどうか,などが評価されます。審査の結果,部門ごとに「プラチナ賞(Platinum)」「金賞(Gold)」「銀賞(Silver)」が決定するとともに,部門を越えて最も優秀な作品には「最優秀賞(Best of Contest)」が与えられ,生徒には25,000ドルの奨学金が授与されます。
97年に最優秀賞(Best of Contest)を受賞した作品は『 Where Earth Meets Sky: The Himalayas(地球が空に触れる場所:ヒマラヤ山脈)』で,ヒマラヤの地理的な位置,地学的な生成過程,トレッキングガイド,多様な動植物などを網羅的に紹介するとともに,その生態系が現在環境問題にさらされているということを伝えています。
98年に最優秀賞(Best of Contest)を受賞した作品は『The Soundry (音の科学館)』で,音について様様な角度から研究した作品です。「耳の仕組みと音を感知する方法」「音の物理学」「音の理学的,技術的応用」「音声技術の歴史」「インタラクティブ音声実験室」の5つのカテゴリから,音についての知識と理解を深めることが出来ます。
「ThinkQuest’99 Internet Challenge」は98年11月より参加募集を開始し,世界78カ国2,596チーム(6,567名)が参加し,最終的には744作品の提出がありました。
日本からも29チーム(65名)が英語での教材Web作りに挑戦しました。Internet Society の管理のもと,8月下旬よりオンラインによる第1次審査が行われ,セミファイナリスト153チームが発表され,その中で本校の佐藤有希さん(高校3年)と柴田巧君(高校3年)が参加した2チームが選ばれました。
佐藤さんは米国と南アフリカの高校生とチームを組み,文化大革命を中心とした現代中国について研究した作品「Discovering China: The Middle Kingdom」を制作しました。この作品は文化大革命を中心に,国家の成り立ち,事件,人物を丁寧に調査しまとめ,150ページ以上にも及ぶ内容があります。また,ビデオ映像をRealVideoで配信したり,様々な分野で活躍している人物,中華料理のレシピ,クイズ,掲示板など,見る人が内容を理解するとともに,楽しんで学習できるように工夫しています。