最近,アメリカの有名人や政治家は公式の場で「Merry Christmas!」とは言わなくなったという話がある。これは,キリスト教のクリスマスを広く一般に押しつけるのは,宗教・信仰の自由を旨とした理念に反するという考え方らしい。「Happy Holiday!」。確かにこの言い回しをよく聞くようになった気もする。そう言われてみると,この言葉に少数派の人々に対する思いやりも感じられる気がしてきた。
改めて考えてみると「情報の先生」は高校の中でも特殊で微妙な立ち位置にいると言えるかもしれない。いずれにしても,一つ言えることは高校の先生の中では決して多数派にはなっていないということである。さまざまな場面において,肩身の狭い思いをしながら「情報の先生」をしている先生方も多々おられるはずである。しかし,だからといって,指導を疎かにしてよいというわけではない。ましてや,情報の未履修なんてもってのほかである。 では,どのようにして情報科としての矜持を守っていけばよいのだろうか。やはり教科である以上は,授業である。どんな授業を展開するか,持てる授業デザイン力を生かして工夫を凝らした授業を展開すれば,おのずと確固たる立場を確立できてくるのではないだろうか。もしも,「情報の先生」が校内で辛い思いをしているならば,ここで一度原点に立ち返って指導実践の内容を精査してみるのもよいかもしれない。そのために自分のホリデーが少々短くなっても,結果みんながハッピーになれるはずである。