平成11年3月の高等学校学習指導要領の改訂によって,新しく教科「情報」が設けられた。現在,平成15年度からの実施に向けて,教科「情報」を担当する教員の養成・確保が課題となっている。このため,文部省は,大学による教員養成のほか,現職教員等を対象とした講習会を計画している。 この講習会は15日間の予定で,その内容については,IT-Education第3号で藤井氏が示している。しかし,15日間の講習会を受講しただけで,十分な指導力が得られるであろうか。講習会後も,指導力を深化するために継続的な研修が必要ではないだろうか。ここでは,現職教員等講習会の内容を深化するために,どのような研修が必要であるか考えてみたい。
新学習指導要領のもとで小学校・中学校と情報教育を受け,場合によっては家庭においてもコンピュータを使いこなしている生徒たちに,教科「情報」の内容を指導するためには,それなりの力量が要求される。最初にも述べたが,15日間の講習会を受講しただけで教科「情報」を指導できる力が十分に身に付くというものではない。今後は,各県,各学校において情報科教員の指導力向上のための研修が必要である。 また,それ以上に,教師自信の自己研鑽が望まれる。情報技術の進歩は極めて速く,それに伴って情報通信社会の状況も刻々と変化している。このような状況の中では,与えられた研修を待つだけでは社会の変化に十分対応できないであろう。教師の自己研鑽は,情報科に限ったことではないが,情報科においては特に必要性が高いものである。教科「情報」を指導する予定の先生方には,平成15年度からの実施に向けて益々の自己研鑽を望みたい。