わたしたちの生活には,大小さまざまな問題が存在し,望む,望まないにかかわらず問題解決を行うことが求められている。
新学習指導要領では「情報の科学」の内容の取り扱い(2)において,問題解決が大きく扱われており(図1),生徒一人ひとりに問題解決の基本的な考え方,問題解決に関する基本的な知識と技能を習得させることをねらいとしている。
(2)問題解決とコンピュータの活用
ア 問題解決の基本的な考え方
問題の発見,明確化,分析及び解決の方法を習得させ,問題解決の目的や状況に応じてこれらの方法を適切に選択することの重要性を考えさせる。
▲図1 学習指導要領における問題解決の記述
問題解決の学習を通して身につけさせたい力として,次の3点があげられる。
1)学校だけでなく生活に役立つ知識を学ぶ
生徒の多くは「テストでよい点を取るために勉強をする」,「よい評価をもらうために課題に取り組む」といった,学校だけで使える知識を身につけようとする傾向がある。本来,学びとはそういった結果のための学習ではなく,生きる力を身につけるための学習でなければならない。
2)自己の問題としてとらえ解決する
日常はさまざまな問題であふれているが,問題を認識せずに行き当たりばったりで行動をしてしまう生徒も多い。日常生活に見られる多くの問題に対して,最適な解決策を考えることは豊かな日常生活を送る上で重要なポイントである。
3) さまざま問題に対して問題解決を行えるようになる
人生経験の少ない高校生は授業を聞いて内容を理解したつもりでも,自分自身の知識や技術として身についていないことが多い。授業で扱った内容とまったく同じであれば易々と問題解決できる生徒でも,問題や事象が変わっただけで対応できなくなることも多い。視野を広げ,さまざまな問題に対して適切な行動が取れるような応用力を身につける必要がある。
以上のような問題意識から,「情報の科学」における問題解決の手法を学ぶ授業を提案したい。
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