ICT・Educationバックナンバー
ICT・EducationNo.48 > p28〜p29

情報デザイン指導実践例
配色のパターンを体験する
東京都立砂川高等学校 山下 一郎

「情報デザイン指導実践例」では,「デザイン学習会」に参加した先生方が,情報デザインに関する知識を活用した授業実践を紹介します。「デザイン学習会」は,飯塚智江先生(東京都立工芸高等学校教諭)が中心となって有志で行われた情報デザインに関する学習会です。

この指導実践例は,『IT-Literacy 情報デザイン編』の「配色」の単元をもとにしています。
1.単元のねらい
科目:マルチメディアデザイン(学校独自科目)
○様々なパターンの配色を体験して,配色のイメージをつかむ。
○後で学習するWebデザインで各自で配色を工夫する力を養う。
○色相,明度,彩度について認識させる。
2.学習の流れとその内容
 今回の単元の前段階として,1)単色のイメージを言葉で書き出す,2)言葉のイメージに合わせた配色を行ってみる,という2つの学習を2時間ずつ行った。
 この単元では,ポスターの配色を変更する実習を行う。

(1) パワーポイントで作成した文化祭ポスターの配色を指示に従って作成していく。ポスターのレイアウトやパーツの変更は行わずに,配色だけを変更していく。

(2) 共有フォルダ内にある教材ファイル(パワーポイントファイル)を個人フォルダ内にコピーし,そのファイルを開く。

(3) 1つひとつのスライドに以下のような配色を施していく。

 RGB値を変えることで色の変更を行う。RGB値はirouse※注1というサイトを参照させた。

1)同一色相・隣接トーン


2)隣接色相・同一トーン


3)類似色相・同一トーン


4)中差色相・同一トーン


5)対照色相・同一トーン


6)補色色相・同一トーン


7)同一色相・対照トーン


(4) 完成したパワーポイントのファイルをJPEG形式で保存する(スライドが1つひとつのファイルになる)。

(5) JPEGファイルすべてに自分の組・出席番号をつけて共有フォルダ内の指定したフォルダ内に提出する。

 生徒は今までいろんな色を使う機会があまりなかったので,様々な色(色相)を実際に使ってみる機会をつくった。
 今回のようにポスターなどを作成する場合,様々な配色を試す機会を設けることがほとんどない。その理由の1つに,そのようなことをすると時間がかかってしまうという理由がある。しかし,パソコンで行えば,短時間で,様々な配色の試行を行うことができる。今回の実習では,とにかく,様々な配色を実際に自分で行ってもらった。このことで,色の引き出しが増え,後に行うWebデザインでの配色がやりやすくなるようにというねらいもある。
注1:irouse(http://www.geocities.jp/net_t3/color/)参照。
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