ところが,1990年代に入ると,これまで英語文化圏—つまり,アメリカ・イギリス・カナダなど—で研究され,実践されてきたこと,それと途上国での「識字教育」の推進などに,もっと新しい視点が加わってきた。例えば,アメリカのバージニア大学教授ハーシュ(Hirsh,E.D)が,“Cultural Literacy −What Every American Need to Know− ”と題した本を著し,これが中村保男の手によって『教養が,国をつくる−アメリカの基礎教養5000語付き−』という題で翻訳された(TBSブリタニカ,1989)。