ICT・Educationバックナンバー
ICT・EducationNo.6 > p18〜p19

交流
ネットデイ2000 in 大口台小
横浜市立大口台小学校 佐藤 幸江
http://www.mediakids.or.jp

 ネットデイは,機材も予算も人手もないけれども,なんとか環境を整えてインターネットを利用した教育実践をしたいという学校の希望を,保護者や地域社会のボランティアと企業の協力によりかなえようというもので,実際には,校内LANを敷設するのが作業の中心だ。横浜市立大口台小学校でもその活動を行なったので,ここに紹介したいと思う。

1.ネットデイ2000 in 大口台小
 大口台小学校の林元校長先生は,長年,図書館教育にたずさわってこられた。子どもたちの調べ学習や今後実施される「総合的な学習の時間」に対応するためにも,図書館が「学習情報センター的な役割を担う」ことが必要であるというお考えを,常々私たち職員にお話ししてこられた。

 そこで,2度目の「ネットデイ」を計画し,4階から図書室のある2階へケーブルを引っぱることにした。前回は大学生がボランティアとして活躍してくださったが,今回は保護者の方 方にも,参加を呼びかけることにした。大口台小学校では,ここ2年間「学校教育への地域の人材活用」ということを試みているからだ。

 2000年2月の土曜日の午後。大口台小学校の図書室には,先生方の有志,保護者,そして大口台小学校の子どもたちが交流している神奈川県清川村立宮ヶ瀬小学校の先生など,総勢29名がボランティアとして集結してくださった。

 仕事が始まってから間もなく,最初の難問が起こった。前回のネットデイでは,デジタル線(ISDN)が4階の視聴覚室まできていたので,視聴覚室から4階の5,6年生の各教室まで,ローカルエリアネットワーク(LAN, イーサネット)のケーブルをひっぱり,そこからさらに各教室内の複数台のパソコンからメディアキッズにアクセスできるように分岐(ハブという機器を介して)していただいたのだ。そのケーブルをどうやって2階へ降ろすかということで問題が起こったのだ。当初は,水道管などが通っている空間を利用する予定だったが,何とこの空間はところどころコンクリートで固められていて,ケーブルを通すことができないということが判明したのだ。始まったばかりで,「今日のネットデイは終わりか!」というムードが,早くも漂ったが…。結局,時間・技術・道具などを検討した結果,窓から外を伝う方法とることに決着し,そんなこんなで,途中でとるはずだった休憩もとらずに,作業は夜7時30分まで続けられたのだった。

図書館での設定作業(保護者ボランティア)
▲図書館での設定作業(保護者ボランティア)

視聴覚室の配線作業
▲視聴覚室の配線作業
2.大勢の知恵と力で
 大勢のみなさんのお陰で,大口台小のネットワーク環境が拡充された。保護者の方々からは,「今後もコンピュータの整備など,できる範囲で協力したい。」などの意見をいただき,今回の「ネットデイ」が,地域と学校を結ぶ一つのきっかけ作りになったことを感じた。

 明日から,この環境を生かして,少しでも多くの子どもたちがネットワークをじゃぶじゃぶ使ってほしいと願っている。

コンピュータをセッティング
▲コンピュータをセッティング

ケーブル作り
▲ケーブル作り

3階から2階へ
▲3階から2階へ
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