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コンピュータ教育のバグ |
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バイキングは食べ放題
−ボトルネックを見極めろ− |
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ビュッフェスタイルの食べ放題の食事,いわゆるバイキングを行う食堂が増えてきているような気がする。そもそもこのバイキングというネーミングは,かの帝国ホテルがインペリアルバイキングと称して北欧のスモーガスボートを真似た食べ放題のスタイルで提供したことが起源らしい。それはさておき,ホテルや旅館の朝食やチェーン店のレストラン,パックツアーの食事やら,給食にまでこのスタイルを実施している例があるという話もある。しかし,食べ放題といったところで普段の10倍も食べきれるものではないし…。
何事にも限界というものが
食べ放題といっても,結局は人間の胃袋の限界というものがあるので,いくら空腹にしておいたところで一度の食事で食べられる量には限りがある。つまりこの場合,自分のお腹に入る量というのが,食べ放題におけるボトルネックになっているのである。ボトルネックとは,もともと文字通り,瓶の首の部分を指すのだが,これが転じて隘路や進行の妨げになる困難という意味を持つ言葉だ。情報教育の現場でもさまざまなボトルネックがある。これを見過ごしてしまって,トラブルを招くこともよくある。
たとえば,最近のコンピュータ実習で生徒が扱うデータのファイルサイズは,大きくなりがちである。文書を作成した際に安易にインターネットの画像を借用してペタペタ貼り付けてみたりすると,フロッピーになんてとても入らないような容量になってしまうこともざらだ。こういうデータをサーバを使って印刷や保存の処理を行うと,思わぬところで時間がかかってしまうことがある。だれかのデータがボトルネックになって,クラス全体に影響してしまうことが起こるのだ。動画クリップの素材を共有フォルダにおいて作業の指示を出したら,とりあえずクリップを見てみようとした生徒たちがデータの読み出しを一斉にしたために,ネットワークが固まってしまって使い物にならず復旧が大変だったなんていう笑えない失敗例も聞いたことがある。
ボトルネックの見極めが大切
身近なところでは,インターネットの接続をブロードバンドで何十メガなんていうのに変更したのにWebページの閲覧などが劇的に改善はしなかったというのもよく聞かれる話だ。この場合は手持ちのパソコンのCPUなど,マシンスペックが何かしらボトルネックになっているはずである。しかし,ただ文句を言っていてもはじまらない。原因を突き止めて対処方法を考えなければならない。
情報教育においても同じことだ。前述のような問題が起こったときにそのボトルネックを突き止めて対処しなければならない。いやむしろ,現実的に考えれば事前にボトルネックを予見して対処しておくべきである。ここでもう一つ考えたいのは,たとえば実習中にファイルサイズに気を配るのは先生だけでいいのかということである。生徒が自分で作成したデータの容量に気を配るように指導するのも,大切なのではないだろうか。学校の実習で生徒がこういうボトルネックを予見して回避する習慣を身につけることができれば,主体的な情報活用能力の一つを身につけたことにはならないだろうか。こういう習慣を身につけさせるといっても,先生にとってはなかなか手間がかかり根気が必要なことにはなる。自分で対処した方が早いからだ。しかし,そんなことでは,先生自身が情報教育のボトルネックになっていると言われるかもしれない。 |
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