1.はじめに |
情報の授業が始まってまだ2年目であるが,その行き先にはすでに暗雲が漂い始めている。一部の進学校では「情報」をまともに履修させていないところもあったり,また,2単位履修させている学校においても学習内容に学校間格差が大きいのが現状である。ある学校では,ワープロと表計算ばかり実習させているという話も聞く。
これからの情報化社会において,この教科の持つ意味は大きい。にも関わらずこうした状況が起きている原因はどこにあるのであろうか。私個人の意見であるが,「情報」はあまりに実習ばかりに目を奪われがちで,教科としてもっと学習内容の充実に視点を向けられるべきではなかろうか。本誌においてもこれまでの実践例報告の多くは,実習における実践や校内のシステム作り,総合学習との連携などであった。もっと何を学ぶのか,コンテンツを重視した学習が大事なのではないかと考える。
また,「情報」が市民権を得られていない理由の一つにセンター試験採用への見送りがある。「情報」=「実習科目」と見られてしまう要素がここにもある。「情報A」を履修した場合に,センター試験への出題が難しいこともあるかもしれない。しかし,生徒の「情報」に対する意識の問題もあり,きちんとした「市民権」を得る必要があろう。
ここではそんな状況の中,コンテンツを重視した私なりの実践例を紹介したい。 |
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