(1)TechnoTheque (http://www.techno.forem.be)
IT関連の職業に就きたい人のために,その技術を習得する機会を提供している民間の技術訓練センターである。リエージュ市から財政支援を受けて1987年に設立され,プログラミング,マルチメディア,Web制作など8名の専門スタッフがいる。月火木金曜の午後と土曜の午前に開館され,登録者は予約を取って無料で利用することができる。
1階は約100台のコンピュータや各種ソフト,マニュアル類が完備している。自学自習を基本としているが,専門スタッフに質問することもできる。私たちが訪問したときも,多くの若者で賑わっていた。2階は最長6ヶ月間の無料研修で使用されるセミナー室となっており,10数台のコンピュータとプロジェクタが設置されている。年間約200名の受講生のうち,90%以上が就職先を見つけるそうだ。
(2)アシュセ高等商業学院 (http://www.hec.be)
4〜5年制のビジネス・スクールで,海外に74の提携校を持つ国際色豊かな専門学校である。ヨーロッパでも有名でレベルも高く,この学校の卒業は大学卒業に匹敵するそうだ。3回生で4〜5ヶ月の外国研修,4回生で8週間の企業研修があり,実学に力を入れている。現在35名の学生がいる日本語学科の教授(香港出身の中国人)から,同学科についてうかがった。ビジネス・パートナーとして日本に関心のある学生から,日本のマンガに関心の高い学生まで志望動機はさまざまだそうだ。確かに書店に行くと,言葉はフランス語だが日本のアニメ本が氾濫しており,子供たちに強い影響力があるのだと改めて感心した。
従来のLL教室を更新した最新のCALL教室を案内してもらった。一斉学習だけでなくLLで行われていたペア・ワークやグループ・ワークを行えるように音声や映像系を含めてシステム構成されていた。デジタル化された日本語学習教材もあったが,映像は一昔前の日本といった感じであった。いくつかの授業ではオンラインで学習課題が提供されているが,今後はさらに科目や内容を充実させて,遠隔学習を展開させる計画を持っているそうだ。
(3)Technifutur (http://www.technifutur.be)
就労者技術研修センターで,研修生は主に企業からの派遣だ。元々は失業者対策のために大企業の援助で設立された民間機関だが,昨年完成した近代的な設備で,「機械工学」「生産技術」「電気電子」「情報技術」4部門の研修が行われている。情報技術に関しては,OS,アプリケーション,プログラミング,インターネットに加えて,ASPやセキュリティ関連の講座が新設されている。1講座は1〜6日間である。
さらに,e-Learningでの研修も始められており,電子商取引を中心にインターネット関連コースがある。e-learningというと自宅での学習を想像するが,企業内での研修に活用されるそうだ。 |