令和8年度 教科書
「高校生の美術2」

美Ⅱ-702/A4/82頁

生徒と一緒に美術を語りたくなる教科書

美術Ⅰとの連続性を意識して編集した教科書です。これまでに学んできた内容との接続を明確にして、発達段階に沿った深まりのある題材を設定し、高校生の「より深く知りたい!」に応える内容を掲載しました。また、「高校生の美術1」と同様に3つの柱に整理された学びの目標を観点別に記載し、評価に生かせるように工夫している点も特徴です。

表紙の説明

展示室でふたりの女性が鑑賞しているのは、ギュスターヴ・カイユボット作「パリの通り、雨」。実はこの作品、教科書の中に掲載されています。どうぞ探してみてください。鑑賞者と比較することで、作品に描かれた人物は等身大ほどであることがわかり、作品画像だけではわからなかった表現の工夫に気付くことができます。この写真は、ドイツの写真家であるトーマス・シュトゥルートが取り組んでいる、美術館をテーマに撮影したシリーズの中の1作です。シュトゥルートは「見る人を見る」というようなユニークな視点を提示し、私たちを取り巻く社会を探究し続けています。写真家はなぜこの瞬間を撮影したのでしょうか。赤いチェックのワンピースの女性は、まるで絵の中の通りに歩いて行きそうな、絶妙な構図で切り取られています。そこに写真家の意図が感じられるでしょう。ぜひこの表紙を切り口に、生徒に話しかけて、一緒に美術を語ってください。

著作関係者

著作者

  • 村上尚徳(IPU・環太平洋大学副学長・教授)
  • 横田 学(京都市立芸術大学名誉教授)
  • 安田 淳(石川県立金沢辰巳丘高等学校教諭)
  • 中村美知枝(東京都立文教高等学校教諭)

校閲

<特別支援教育・カラーユニバーサルデザインに関する校閲>
大内 進(星美学園短期大学日伊総合研究所客員研究員)
<防災・安全教育に関する校閲>
河田惠昭(関西大学特別任命教授)

編集協力者

  • 青木邦眞(埼玉県立新座総合技術高等学校)
  • 石田泰道(山梨県立甲府第一高等学校)
  • 甲斐秀幸(神奈川県白山高等学校)
  • 小林和弘(埼玉県立川越女子高等学校)
  • 斉藤敦史(長野県上田染谷丘高等学校)
  • 庄司美子(東京都立千歳丘高等学校)
  • 関口 浩(埼玉県立芸術総合高等学校)
  • 中西一洋(東京都立世田谷総合高等学校)
  • 三井直樹(共立女子短期大学)

取り組み

特別支援教育・カラーユニバーサルデザイン

誰もが使いやすく学びやすい教科書をめざして、星美学園短期大学日伊総合研究所客員研究員の大内進先生に校閲をお願いしました。特別支援教育やユニバーサルデザインの観点から、見やすさ、読みやすさ、分かりやすさに配慮した教科書作りに努めています。

防災・安全教育

関西大学特別任命教授の河田惠昭先生に校閲をお願いしました。昨今の防災・安全教育の重要性から考えて、防災・安全に関わる内容を取り扱い、生徒の意識を高めたいと考えています。

教科書のポイント

①導入から評価まで授業をサポート!こだわりの紙面構成

身の周りのものを観察・調査することから発想・構想する能力を、授業に即した例で紹介。適切な言葉で相手に伝えるコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力の育成に役立つ授業例を示しています。

p42-43 情報を伝えるデザイン

p42-43 情報を伝えるデザイン

②美術Ⅱらしい、探究的な深い学びへ誘う題材構成

美術Ⅰから美術Ⅱへ。多くの学校で実践されている題材を積極的に取り上げ、より深い学びにつながるような内容にまとめました。現代作家の作品や、今日的な内容、理系分野の教科と連携できる内容など、深まりのある作品やテーマを取り上げています。

p6-7 水による演出

p6-7 水による演出

p36 身近な物で生み出す

p36 身近な物で生み出す

p46 行為を誘うデザイン

p46 行為を誘うデザイン

p58-59 コンピュータを活用した表現

p58-59 コンピュータを活用した表現

③生徒の興味関心を引き出す“実感できる”鑑賞ページ

紙の教科書ならではの仕掛けで、生徒の鑑賞体験が深まるページを設けました。ページを折り曲げ教科書を立てると、屏風を立てた状態で作品を鑑賞することができます。屏風を折り曲げたときに見えてくる表現の工夫について、実感をもって理解することができます。また、特定の見方をするとモチーフが飛び出て見えるトリックアートを紹介しています。制作過程とともに紹介することで、驚きだけではなく、錯視の仕組みを知り、学びも深まるページ構成になるよう工夫しました。

p23-26 夏秋渓流図

p23-26 夏秋渓流図

p23 ページの使い方

p23 ページの使い方

p21 永井秀幸「錯覚の世界」

p21 永井秀幸「錯覚の世界」

制作過程⑥完成作品が飛び出して見える画像

制作過程⑥完成作品が飛び出して見える画像

動画

作家インタビュー 大溝 裕

p42-43 情報を伝えるデザイン

作品動画 まほう

p56-57 アニメーションで伝える
一般社団法人Reborn-Art Festival 株式会社Tポイント・ジャパン 瀧田 希 株式会社goen°/撮影編集協力:長根 雄之 有限会社サウンドクリエイト/撮影アシスタント:高田 茜 有限会社サウンドクリエイト/ドローン撮影:奥山 巧太 ブルーエイトプロダクション

作品動画 「心臓シミュレーターUT-Heart」の紹介CG

p58-59 コンピュータを活用した表現
HPCI戦略プログラム 分野1 株式会社UT-Heart研究所/協力:富士通株式会社

作品動画 テレビ画面ワープ法

p78-79 コマ撮りアニメーションの技法

目次

オリエンテーション

  1. 表現とは何か

    2・3

絵画

  1. 絵画の役割と写真の発明

    4・5

  2. 水による演出

    6・7

  3. 奥行きや空間を捉える

    8・9

  4. ものの質感を生かして

    10・11

  5. 人物のイメージや心情を捉える

    12・13

  6. テーマを追求する
    ――マティスの試行錯誤――

    14・15

  7. 感覚の冒険

    16・17

  8. 線と明暗の表現

    18・19

  9. 錯覚による不思議な世界

    20・21

  10. 版の表現

    30・31

絵画・デザイン

  1. 琳派――継承と創造の系譜――

    22~28

絵画・彫刻

  1. 生物を空想して

    32・33

彫刻

  1. 作家探究 高村光太郎

    34・35

  2. 身近なもので生み出す

    36・37

  3. 石のもつ素材の可能性

    38・39

デザイン

  1. 言葉を超えて「ヒロシマの心」を
    訴えるポスター

    40・41

  2. 情報を伝えるデザイン

    42・43

  3. デザインがもたらす統一感

    44・45

  4. 行為を誘うデザイン

    46・47

  5. 庭園のデザイン

    48・49

  6. 感覚に訴えるデザイン

    50・51

映像メディア表現

  1. 作家探究 土門拳

    52・53

  2. 複数の写真で表す

    54・55

  3. アニメーションで伝える

    56・57

  4. コンピュータを活用した表現

    58・59

資料

  1. 美術について考える

    29

  2. 現代につながる美術

    60・61

  3. 日本の前衛

    62

  4. 美術の起源

    63

  5. アジアの美術

    64・65

  6. シルクスクリーンでTシャツをつくる

    66

  7. エッチングで銅版画をつくる

    67

  8. 配色とトーン

    68

  9. 紙でつくる

    69

  10. テンペラ画を描く

    70・71

  11. 金箔を使って日本画を描く

    72・73

  12. 彫刻の技法

    74・75

  13. 部活動を紹介するチラシのデザイン

    76・77

  14. コマ撮りアニメーションの技法

    78・79

  15. 作品が場をつくりだす

    80・81

内容解説資料

内容解説資料(別冊)

  1. 2026年度版 内容解説資料 別冊(令和8年度版 新・高校生の美術1、令和4年度版 高校生の美術1、令和4年度版 高校美術、令和5年度版 高校生の美術2、令和6年度版 高校生の美術3 共通)

教科書検討の観点から見た特色