日本文教出版 社会と情報(社情306) 教科書テキストデータ ---------------------------------------------------------------- 序章 情報社会とわたしたち ---------------------------------------------------------------- 【p10】 2.情報社会について学ぶ意義 ○身近な情報社会  情報社会とは何かを身近なことから考えてみよう。まず,これまでの経験から「情報社会だからできたこと」「情報社会だから起こったこと」をできるだけたくさん思い出して整理してみよう。次のような方法でやるとよい。 (カードを用いたアイディア整理法) (1)グループに分かれる (2)名刺サイズのカードをたくさん用意する。 (3)思い出したことを一つずつカードに書く。できるだけたくさん,いろいろな角度から思い出してみるようにしよう。 ・携帯電話でメール ・友だちのブログを読む ・ICカードの定期券 ・出欠の連絡をメールで送る ・リアルなCGを使ったゲーム ・天気予報をいつでも見られる ・世界中のニュースが読める ・音楽のダウンロード販売 ・写真をつけてメールを送る ・検索エンジンでわからないことを調べる (4)みんなのカードを集め,カテゴリをつくって分類する。自由な発想で分けてみよう。 ○情報の種類 どんな情報が手に入ったか ・好きなアーティストの情報 ・スマートフォンで読む電子書籍 ・天気予報をいつでも見られる ・現在地を携帯電話で知る ○情報の入手経路 どこから入手したか ・インターネットのWebページ ・テレビのニュース ・家族や友人から聞く ・情報雑誌や書籍 ○情報社会の影響 便利になったことは何か ・写真をつけてメールを送る ・ICカードの定期券 ・テレビ番組の自動録画 ・電子マネー ※側注 ・カードを用いたアイディア整理法  複数人でアイディアや情報をカードに書き出し,似たものをグループ化しながらグループ間の関係などを考えていく中で,新しいアイディアを生み出そうとする手法。 【p11】 (5)カードの内容を整理して,カテゴリどうしの関係を図にあらわす。図のあらわし方にもいろいろな工夫ができる。説明しやすい図のあらわし方を考えてみよう。 (樹形図であらわした例)(表にまとめた例) (6)グループでつくった図を見せ合いながら,情報社会についてどのように整理できたのかみんなに紹介しよう。  普段は意識しないいろいろなことが,情報機器や通信手段の影響を受けていることに気がついただろうか。その影響が,連絡事項やイベント情報からチケットや衣料品など実物のやり取りにまで及んでいることに気づいたかもしれない。  情報機器や通信手段がいつも,コンピュータや携帯電話のようなものとして目に見えるわけではないことを発表したグループはあっただろうか。電車やバスを利用するときに,カードをかざすだけで乗り降りができることがあるが,そのカードを情報機器や通信手段とつなげて考えることは少なかったのではないだろうか。わたしたちの生活は,目に見える形でも,見えない形でも,情報社会の中にある。 ○わたしたちが情報社会をつくる  コンピュータやネットワークにかかわる技術は,日々新しくなっていく。そのような技術を駆使して,利用者が望む機能を実現する技術者が,情報社会ではつねに求められている。情報システムを守るのも技術者の重要な役割であるし,情報セキュリティを守る技術者も,つねに求められている。  いっぽう,情報社会では,情報システムの利用者のほんの小さな行動が多くの人の役に立ったり迷惑になったりすることがある。したがって,利用者としての立場から情報社会にかかわっていくことの意義も非常に大きい。情報社会を生きていく上では,そこで起こっていることを正しく理解し,有効に情報を活用する方法を身につけ,つねに社会の一員であることを意識し,社会に貢献しようとする意志をもつことが大切である。