日本文教出版 情報の科学(情科305) 教科書テキストデータ ---------------------------------------------------------------- 第1章 コンピュータによる情報の処理と表現 ---------------------------------------------------------------- 【p14】 第1節 コンピュータと情報処理 ■コンピュータの中で,情報はどのように処理されているのだろうか。 1.わたしたちの生活と情報技術  コンピュータが扱うディジタルデータは,どのようなものなのか理解しよう。 ○情報機器の発展  携帯電話で遠くにいる人と話したり,ディジタルカメラで写真を撮ったりと,わたしたちは日常生活において情報機器を活用して便利に暮らしている。  情報機器は,アナログデータからディジタルデータを扱う機器へと発展してきた。ディジタルデータを扱うようになったことで,音楽再生や写真・動画撮影,電子メールなど,多くのことが携帯電話などの情報機器1台でもできるようになった。また,携帯電話で撮った写真や動画を電子メールに添付して送るなど,情報通信ネットワークを利用して,データをやり取りしやすくなった。 (情報技術の恩恵) ○大量のデータを簡単に持ち運ぶことができる。 ○検索がしやすい。 ○少ない品質劣化で伝送や複製ができる。 ○情報通信ネットワークでデータを効率的に伝達できる。 ※側注 ・アナログデータを扱う機器 フィルム式カメラ レコード ビデオテープ 【p15】 ○アナログとディジタル アナログやディジタルとは何だろう。  連続する量をほかの連続する量を用いてあらわす方式をアナログという。たとえば,アルコール温度計では,連続的に変化する温度を液体の体積変化で表現する。  連続する量を一定間隔ごとに区切り,数値を用いてあらわす方式をディジタルという。ディジタル温度計では,温度を数値で表現する。「0.1℃」間隔で温度を表現するディジタル温度計の場合,「38.82℃」という温度をあらわすことはできない。 (アナログとディジタル) ○コンピュータとディジタルデータ  ほとんどのコンピュータは,2進法で表現されたディジタルデータを用いて処理を行っている。  2進法では,0と1の2種類の記号ですべての数を表現している。コンピュータでは,0と1を「スイッチのOFF/ON」,「電圧の低/高」,「磁石のS/N」といった二つの状態に置き換え,扱っている。  2進法で表現された1桁の数では,0と1のどちらかをあらわすことができる。これがコンピュータの扱うデータの最小単位で,1ビットという。一般に,8ビットをまとめて1バイトという。1バイトでは,2^8(0~255までの256)通りをあらわすことができる。  数値の桁数が大きくなったときには,K(キロ),M(メガ), G(ギガ),T(テラ),P(ペタ)などの接頭語を使って表記する。 単位 関係 B(バイト) 1B=8bit KB(キロバイト) 1KB=1024B(2^10) MB(メガバイト) 1MB=1024KB GB(ギガバイト) 1GB=1024MB TB(テラバイト) 1TB=1024GB PB(ペタバイト) 1PB=1024TB (実習3) パソコンや携帯電話などの製品情報で,MBやGBの記載を見つけてみよう。 ※側注 (1)アナログ analog (2)ディジタル digital (3)2進法  0と2の2種類の記号で数値を表現する数の体系。 (4)たとえば,次のような対応である。 0 1 スイッチ OFF ON 電圧 低い 高い 磁石 上がS極 上がN極 (5)ビット bit:  データの最小単位。  たとえば,2ビットは1ビットを2桁並べたもので,2^2(00,01,10,11)の4通りの状態をあらわすことができる。 (6)バイト byte ・接頭語  一般的に,大きさをあらわす場合には,10の累乗で考えるが,コンピュータの場合には,2進法表現を基本としているため2の累乗であらわす。また,1000倍をあらわす「k」(キロ)と区別するためにコンピュータでは大文字の「K」であらわすことが多い。 ----------------------------------------------------------------