日本文教出版 情報の科学(情科305) 教科書テキストデータ ---------------------------------------------------------------- 序章 情報社会に生きるわたしたち ---------------------------------------------------------------- 【p8】 2.情報社会に生きる  インターネットや携帯電話などを利用する上で知っておくべき事柄について学習しよう。 ○守るべきルールやマナー  わたしたちの日常生活に,情報技術が深く入り込んできている。情報技術によってコミュニケーションの手段が変わっても,生活の中で守るべきルールやマナーは基本的には変わらない。互いを認め合い,相手を尊重し,他人に迷惑をかけない節度ある行動をとることが求められる。電子メールやインターネットを利用したコミュニケーションでは文字が多く利用されるが,文字だけのコミュニケーションではちょっとした記述のミスや受け取る際の誤解などがトラブルの原因となることもある。顔が見えないと,面と向かって話すときには使わないようなきつい表現を用いてしまうこともある。  コンピュータ,携帯電話などから意見や考え,つぶやき,写真,動画などを世界中の人に発信することもできる。しかし,安易に書き込んだ一言によって誰かを傷つけ,大きな不利益を与えることもある。友人との何気ない普段の会話のつもりで書き込んだ内容も,悪用されるとプライバシーが侵害されることもある。個人情報などをインターネット上で発信する場合,発信する人はその必要性や安全性などから発信するかどうかを判断し,責任を負わなければならない。わたしたち一人ひとりが発信する情報についてしっかりと責任をもつ必要がある。 (インターネット上にもいろいろな人がいる) ・自分で描いた絵をブログにアップロードしたよ。 よい反響があるとうれしいね。 ・上手ですね。 ・cool! ・kawaii! 批判されることもあるね。 ・下手な絵!  コメントの書き方には気をつける必要がある。 ・この絵を自分で描いたことにしてわたしのブログに載せよう。  これは著作権侵害で違法行為。絶対してはいけない。 【p9】 ○関係する法知識  わたしたちは,たくさんの人が秩序正しく生活を行うために数多くの決まりごとをつくり,それを守りながら暮らしている。法律はそのような決まりごとの一つである。インターネットを利用する場合も,一般的な社会と同じく法律を守る必要がある。  たとえば,他人の作品などの著作物を利用する際には,著作権法を守る必要がある。著作権法は,ほかの人の著作物を公正に利用しつつ,著作物を作成した著作者の権利を守り,より文化を発展させるための法律である。自分自身の著作物を守るためにも,著作権法は必要である。  情報社会に関連する法律にはほかにも多くのものがある。情報技術の進展に法整備が追いついていない部分もあるが,大切なのは,一人ひとりが責任をもって行動し,ほかの人に迷惑をかけないように気をつけることである。 ○インターネットやコンピュータを安全に使うために  情報機器は手軽に誰もが使えるようになったが,安全に利用するためにはほかの機器と同じくきちんと手入れをする必要がある。自動車のように,定期点検が義務づけられているわけではないため,誰かが手入れを専門に行ってくれるわけではない。自分で扱う情報機器は自分で責任をもって手入れをしておく必要がある。  手入れを怠ると,コンピュータや情報機器の動きが悪くなるだけではなく,大切なデータが消えてなくなってしまうこともある。OSのアップデートやコンピュータウイルス対策が不十分な場合,コンピュータウイルスに感染し,保存している重要なデータがインターネット上に流出してしまったり,ほかのコンピュータを攻撃する踏み台に利用されてしまったりすることもある。ファイアウォールの設定が不適切な場合,ネットワークを通じて外部から侵入され,コンピュータを勝手に利用されてしまう危険性もある。  コンピュータだけでなく,携帯電話や携帯情報端末も紛失による情報流出などの危険性をもっている。自分の利用する機器の状態をきちんと把握し,責任をもって利用できるように,基本的な手入れを自分自身でできるようにしておこう。 (実習2) 学校のコンピュータを利用する際のルールやマナーについて確認しよう。 ----------------------------------------------------------------