ブックタイトル令和3年度版「中学社会 地理的分野」内容解説資料
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令和3年度版「中学社会 地理的分野」内容解説資料
3編では,1章(地域調査の手法)と4章(地域のあり方)で地域調査を実施して調査結果をまとめ,考察,構想までを確実に行えるようにしました。また,2章(日本の地域的特色と地域区分)・3章(日本の諸地域)の学習と1章・4章の地域調査学習を結び付けられるよう工夫しました。基本方針3学びを日々の生活や社会に活かす調査結果を発表する調査結果をまとめる調査結果をもとに考察する調査計画を 調査を進める立てる調査テーマを決める地域を見直す第3 編第1 章 地域調査の手法学習 課題調査テーマを決め,どのように調べるのかを考えて調査計画を立てましょう。見方・考え方身近な地ち域いきの調査で何を明らかにするのか,どのように調査するのかに着目しましょう。場所身近な地ち域いき1 の関連図の例調査の視し点てん2 の例地形図や空中写真,小学校で学習したことなどのあいだにどのような関係があるか,かき出してみましょう。これらの関係をP.121「スキルUP」の五つの視し点てんから整理すると,疑ぎ問もんに思ったことや調べたいことのかかわりが見えてきます。これらをまとめて関連図をつくり,調査テーマを決定しましょう。調査テーマが決まったら,調査によって何を明らかにすればよいか考えましょう。かかわりが強いものをまとめ,調査の対象をしぼりこむことが大切です。市町村の役所に行ったり,農家や商店の人などに聞き取り調査をしたりすることで,幅はば広い内容をくわしく調べることができます。調べたいことと調査方法を明確にして,調査計画を立てましょう。調べたいことをまとめ,調査テーマを決定する調査計画を立てる調査テーマを決めて調査計画を立てよう3住じゅう宅たく地ち と水路が近いと,洪こう水ずいで被害が出ないのかな。観光客が増えると,地域にはどんな影えい響きょうがあるのだろう。どうしてこんなに複雑に水路が入り組んでいるのだろう。伏ふし見み 稲いな荷り 大たい社しゃには,どこからどれくらい観光客がおとずれるのかな。地域調査の手法を身につける② 関連図のつくり方1. すでに知っていることやわかっていること,新たに見つけたことなどを,かき出していきましょう。2. 五つの視点をかきこみ,そこから生まれた疑問を「調べたいこと」として相そう互ごに関連づけながら,整理し直しましょう。3「自然環境」の視点からの調査テーマ伏見の複雑に入り組んだ水路はどのように利用され,どのような水害への対たい策さくが行われているのだろうか。テーマを支える問い調査班はんの名前自然と防災班はん調査テーマ伏ふし見みの水路と防災対策5 自然と防災班 が立てた調査計画7 さまざまな視点からの「テーマを支える問い」の例6 交通と観光班 が立てた調査計画調べたいこと調査方法水路の歴史,利用方法文ぶん献けん資料を使った調査(図書館)インターネット野外観察三み栖す閘こう門もん資料館を訪ほう問もん防災対策地図を使った調査調べたいこと調査方法伏ふし見み稲いな荷り大たい社しゃの観光客統計資料を使った調査観光客への聞き取り調査野外観察観光客増加の影えい響きょう地域の人への聞き取り調査野外観察人口や都市・村落調査班はんの名前: 人口と街なみ班伏ふし見み区の人口はどのように分布していて,これからどう変化していくのだろうか。人口の多い地区は,過去から現在にかけてどう移り変わってきたのだろうか。産業 調査班の名前: 資し源げんと産業班酒しゅ造ぞう業にはどのような歴史があり,これからどう発はっ展てんさせようとしているのだろうか。新しい商業施し設せつはどこにあるのだろうか。それによって,地域にはどんな影えい響きょうがあるのだろうか。その他 調査班の名前: 伝統と文化班伝統的な文化はどのように受けつがれているのだろうか。伝統的な文化はこれからどうなっていくのだろうか。自然環境地形,気候,土地利用,過去の災害人口や都市・村落人口の分布や増減,街なみ産業農業・林業・漁業,工業,商業交通・通信道路,鉄道,テレビ局,新聞社その他歴史遺い産さん,伝統行事,環かん境きょう問題・環境保全,まちおこし・むらおこし自然環境交通・通信4「交通・通信」の視点からの調査テーマ● 調べたいことをまとめ,調査テーマを決定する地形図や空中写真,小学校で学習したことなどから,関連図をつくりました。「自然環境」の視点からは水路の利用に注目して,「交通・通信」の視点からは観光客の増加に注目して,調査テーマを決定しました。● 調査計画を立てる2 にあげられたもののほかに,どのような視点が考えられるかな。伏見稲荷大社の観光客の増加のようすと,その影えい響きょうはどのようになっているのだろうか。テーマを支える問い調査班の名前交通と観光班はん調査テーマ伏ふし見み稲いな荷り大たい社しゃと観光調べたいこと五つの視点交通量はどのくらいなのか観光客はどのくらい来るのかいつごろ建てられたものなのかどのような行事があるのか地形図空中写真小学校で学習したこといつごろできたものなのか人口や都市・村落どのように利用してきたか洪こう水ずいで被ひ害がいが出ないのか自然環かん境きょう産業交通・通信その他歴史的背はい景けい・持続可能な社会づくり など団地が広がっている水路が入り組んでいる大きな酒さか蔵ぐらが多い高速道路が開通した大きな神社がある丘おかと平地から成り立っている小学校 3年 身近な地域調べをしたときは,どんな準備をしたでしょうか。3-1 地域調査の手法126 127510地域の課題をつかむ地域の特色をつかむ課題の要因を考察する解決に向けて構想するまちづくり会議第3 編第4 章 地域のあり方地ち域いきの課題について考察したり,解決策さくについて構想したりしたことをもとに,「まちづくり会議」を開きましょう。会議では,みなさんがさまざまな立場の人の役やく割わりを演じて,各班はんの提案を検けん討とうしましょう。話し合いを通して,それらの提案を関連づけたり,提案に優ゆう先せん順位をつけたりして,「私たちのまちづくりプラン」をまとめましょう。会議を開くにあたって5 まちづくり会議を開こう 学習 課題見方・考え方地域の課題の変化や持続可能な地域づくりに着目しましょう。地ち域いきのあり方について考えるまちづくり会議を開きましょう。地域地域のあり方を考える③対立したときに合意を形成する方法 地域の課題を解決する構想をつくるときには,さまざまな提案が生まれます。A B の二つの提案が生まれて,その二つが対立してしまったときには,次のような解決方法があります。 (1) A B のどちらかを選せん択たくする。 (2) A を6割わり, B を4割というふうに,二つの案を取り入れて調整する。 (3) A の次にB を行う, B の次にA を行うというふうに,二つの案に順番をつける。 (4) A でもB でもない, C という新しい案を考える。「私たちのまちづくりプラン」をまとめるときには,四つの方法のどれがよいか考えながらまとめましょう。地域のあり方を考える④構想した結果の発信方法 構想した結果を発信するには,さまざまな方法があります。? プレゼンテーションソフトを使ってまとめ,文化祭などで発表する。? 地図,写真,グラフなどを入れてまとめ,学校のホームページで公開する。? まちづくり・地域づくりのコンテストなどに応おう募ぼする。? ビデオレターに編集して,地域の人々に配布して見てもらう。会議を終えたら,プランのできばえや話し合いのようすを,みんなでふりかえりましょう。そのために,会議のようすは記録に残しておきましょう。話し合いの結果をもとに「まちづくりプラン」をさらに改善して,学校全体に発表したり,地域の人々に向けて発信したりするとよいでしょう。会議を終えて1 まちづくり会議資し源げん4 と産業班 のまちづくりプラン5 交通と観光班 のまちづくりプラン障がい者の立場から避ひ難なん所を改かい善ぜんするときには,私たちの意見を聞きながら進めてほしいと思います。地域に住む人の立場からもし災害のときに,避難所に地域以外の人が殺さっ到とうしたら,どうすればよいのでしょうか。3 人口と街なみ班 のまちづくりプラン子育て中の人の立場から少子化対策のためにも,保育園の待機児童問題にはこれからも注目してほしいです。大学生の立場から京きょう都とにある魅み力りょく的な企き業ぎょうに出会える機会が増えればよいと思います。商工会議所の立場から京都府にいろいろな魅み力りょくがあることを知ってもらうよい機会になると思います。修学旅行生の立場からプランはどれも魅力的ですが,目的地に行くのに時間がかかりそうです。うまく組み合わせることができるといいと思います。市役所の人の立場から伝統産業では後こう継けい者しゃ不足が深しん刻こくなので,どうやって後継者を増やすかについても構想するといいと思います。町家に住む人の立場から町家のよさに加えて,町家に住み続けながら保ほ存ぞんすることの苦労や大変さも知ってほしいです。高こう齢れい者や観光客の立場から歩道が広がったり,まちの中が歩きやすくなったりすることは賛成です。歩くことが楽しくなります。地域に住む人や地域の商店の立場から車道をせばめたり,自動車の流入を規制したりすると,どうしても自動車を使わなければならない人が不便になると思います。6 伝統と文化班 のまちづくりプラン「対立と合意」という見方・考え方については,3年生の公民的分野でくわしく公民 学習しましょう。● 若い人々に魅み力りょくのある街をつくろう!● 京きょう都と市の人口 … 1986年の148万人が最高で,将しょう来らいは少しずつ減っていきます。● 京都市の人口の特色 ・高こう齢れい化率は全国平均よりやや高い ・大学生が約15万人!(人口の10%以上) ・ 東とう京きょうや大おお阪さかへの転出が多い(特に25~29歳) ・保育所の待機児童数が少ない! 1京都市の人口(「国勢調査」2015年ほか)● 地ち域いきの活力を維い持じするために・ 全国からやって来た大学生に,卒業後どのように京都市に残ってもらえるようにするか。・元気な中小企き業ぎょうと出会える機会を!・残った人に家や賃ちんの一部を補ほ助じょ!・何かプレゼントをあげる!O1955年65 75 85 95 2OO5 15 25 35 453O(推計)(推計)(推計)6O9O12O15O万人● 私たちが提案する修学旅行プラン-京きょう都と府では,海・森・竹・お茶に関連した地ち域いきおこしが行われています-・伊い根ね町 地引き網あみを体験・宮みや津づ 市 天あまの橋はし立だての地形確かく認にん・舞まい鶴づる市 引ひき揚あげ記念館を見学海の京都京都府北部・向むこう日市 長なが岡おか京きょう跡あとを見学・長岡京市 たけのこ掘ほり・大おお山やま崎ざき町 天てん王のう山ざんに登る竹の里・乙おと訓くに京都府南西部・宇う治じ市 平びょう等どう院いんを見学・宇う治じ田たわら原町 茶ちゃ摘つ み体験・南みなみ山やま城しろ村 民みん泊ぱくを楽しむお茶の京都京都府南部・綾あや部べ市 黒くろ谷たにで和紙づくり・南なん丹たん市 美み山やま町で林業体験・亀かめ岡おか市 明あけ智ち 光みつ秀ひでを訪ねる森の京都京都府中部宇治0 30km● これまでに学習した世界各国や日本のほかの地ち域いきでの取り組みを,京きょう都と市で生かしてみよう!地域に住む中学生に,地元のよさを伝えるための私たちがおすすめする「中学生向け市内観光」プラン提案①地域に住む人々のために,渋じゅう滞たいを緩かん和わ するための「パークアンドライド」による自動車の流入規制プラン提案②観光バスが多く通る道路に,一いっ般ぱん車線とは別に「路線バス・観光バス専せん用ようレーン」をつくるプラン提案③路面電車(LRT)の導入,自転車専用道の充じゅう実じつなど,未来に向けて「持続可能な交通網もう」をつくるプラン提案④三さん条じょう通どおり,四し 条じょう通どおり,烏からす丸ま通どおり,河かわら原町まち通どおりで囲まれた都心部を歩いて楽しむ「まちなかウォーキング」プラン提案⑤多くの人に公共交通機関を使ってもらうための「京都に公共交通機関があってよかった」ポスタープラン提案⑥● 衣・食・住にかかわる京きょう都との伝統・文化を守る!着物の着方を市民が学べる機会をつくってはどうでしょうか。京都らしさを残すために小学校の出前授業で,日本料理(京料理,和食)の料理法を学習しました。伝統文化を伝えるために京都は夏はむし暑く,冬は底冷えする気候です。町家のよさを伝えるために〈衣〉〈食〉〈住〉景観条例で保存をめざす京都の街なみを,着物を着て歩きましょう。自じ宅たくで京都の「おばんざい」を作りましょう。空調がなかったころに快適に生活するためにくふうされた,町家の秘ひ密みつを知りましょう。● すべての人々のための「京きょう都と市災害対たい策さくプラン」を立てよう!家族での話し合い防災グッズの用意ハザードマップの確かく認にん災害時の避ひ難なんルートや避難所の確認徒歩での帰き宅たくルートの確認災害時帰宅支し援えんステーションマップの確認災害時帰宅支援マップの確認やっていますか? 1人1人ができること防災に関する意識度チェック ●京都市 ▲日本全体▲ 学校・企き 業ぎょうで災害時の徒歩での帰宅方法を考える勉強会を開かい催さいしよう。● 有名な観光地のホームページにそこが観光客緊きん急きゅう避難広場であることを多言語で示そう。▲ バリアフリー化が難むずかしい避難所に必要な支援を考え,地ち域いきの人々で助け合う準備をしよう。▲ 駅・インターチェンジなどで,ほかの地域からの避難者への対応を手伝おう。● 地形的に災害が起こりやすい観光地では,特に早めの避難をよびかけよう。私たちの提案2 自然と防災班 のまちづくりプラン3-4 地域のあり方272 273553 編3 章 日本の諸地域3編1章の調査結果を踏まえて,それらにかかわる事象が日本の各地方でどうあらわれているかを学習します。1 自然環境 …日本の各地方でも地震・火山災害,気象災害が発生していることや防災について学ぶ4 交通・通信…日本の各地方で外国人観光客が増加し,外国人観光客の誘致も行われていることを学ぶ3 編2 章 日本の地域的特色と地域区分3編1章の調査結果を踏まえて,それらにかかわる事象が日本全体でどうあらわれているかを学習します。1 自然環境 …日本全体で地震・火山災害や気象災害が発生していることや防災について学ぶ4 交通・通信… 日本全体で外国人観光客が増えたことや,過密地域では鉄道の混雑や道路の渋滞が深刻化していることを学ぶ3編2章・3章で用いる視点(考察の仕方)1 自然環境2 人口や都市・村落3 産業4 交通・通信5 その他3編1章・4章での調査班自然と防災班人口と街なみ班資源と産業班交通と観光班伝統と文化班3 編1 章 地域調査の手法3編2章・3章で用いる視点(考察の仕方)をもとに,五つの調査班に分かれて地域調査を進めます。1 自然環境 … 自然と防災班は身近な地域の水路や防災について調査を進める4 交通・通信… 交通と観光班は身近な地域の交通や観光客について調査を進める3 編4 章 地域のあり方3編2章・3章の学習を踏まえて,日本全体や日本の各地方でみられた課題が調査地域にどうあらわれているかを確認します。そして地域のあり方を考察,構想し,「まちづくり会議」を開いて構想の結果を発信し,社会の形成に参画し,その発展に寄与する態度を養います。地域調査学習からまちづくり会議へ体系的な日本地理学習↑P.126-127 ↓P.272-273事例地域として京都市(伏見区)を取り上げました。修学旅行の事前準備や当日の現地での活動など,京都を訪れる際にも活用できます。注目18 19