ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

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概要

小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

6 新学習指導要領による『地域学習』のあり方 その意図について,中教審答申では,「三つの柱(「知識・技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力・人間性等」)に沿った資質・能力を育成するためには,課題を追究したり解決したりする活動の充実が求められる。社会科においては従前,小学校で問題解決的な学習の充実が求められており,その趣旨を踏襲する」としている。 つまり,小学校では,これまでと同様に問題解決的な学習の一層の充実を図ることが,社会科の資質・能力を育成する上で必要不可欠であるというのである。だからこそ,目標・内容のすべてに「学習の問題4 4 を追究・解4決4 する活動を通して4 4 4 4 」という文章が繰り返し登場するのである。 なお,「学習の問題」という表現は,学校現場で広く用いられてきた「学習問題」と同じ意味合いで使われている。また,「通して」とは,「必ずおこなう」という強い意味を持っている。 このように,新学習指導要領の目玉である資質・能力の育成を図るには,これまで以上に問題解決的な学習の充実に努めることが必要不可欠である。まさに,“今こそ,問題解決学習”なのである。◆“主体的・対話的で深い学び”の実現 ところで,各教科等で育む資質・能力を育てるために,この度の改訂では,「主体的・対話的で深い学び」の実現を図ることを求めている。 これについて新学習指導要領では,指導計画作成上の配慮事項で,「単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,児童の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,(中略)学習の問題を追究・解決する活動の充実を図ること。」としている。つまり,社会科においては,問題解決学習の充実こそが,「主体的・対話的で深い学び」を実現する鍵を握っているのである。(3) 地域学習改善のポイント◆教育内容の見直し・改善の方向性 学習指導要領の改訂で現場の授業づくりを大きく左右するのが,学習内容に関わる改善事項である。 学習指導要領の改訂においては,その多くが“スクラップ&ビルド”の考え方で内容の見直し・改善が図られる。社会科の総時数,各学年の指導時数には限りがあるからである。 前回の改訂では,小・中社会科全体で75時間,小学校では20 時間ほど,社会科の授業時数が加えられた。その増加分の内容を加えて充実を図ることができたわけだが,この度の改訂では,その授業時数が従来どおりである。 そうした限られた条件の中で,「社会科,地理歴史科,公民科の改善の基本方針」(中教審答申)では,教育内容の見直し・改善の方向性について,「社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて構想する力を養うためには,現行学習指導要領において充実された伝統・文化等に関する様々な理解を引き続き深めつつ,将来につながる現代的な諸課題を踏まえた教育内容の見直しを図ることが必要である」としている。◆ 現代的な諸課題,持続可能な社会づくりの観点から これを受け,小学校の社会科においては,次の基本方針の下に,各学年の内容の見直し・改善が図られている。 ここでは,紙幅の関係で,地域学習と関係が深い第3学年及び第4学年の主な改善事項を取り上げていく。 第3学年及び第4学年の内容構成について, 世界の国々との関わりや政治の働きへの関心を高めるよう教育内容を見直すとともに,自然災害時における地方公共団体の働きや地域の人々の工夫・努力等に関する指導の充実,少子高齢化等による地域社会の変化や情報化に伴う生活や産業の変化に関する教育内容を見直す。