ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

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概要

小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

74 Ⅳ 単元構成の参考事例(4年)4 県の文化財や祭りと先人のはたらき(全24 時間)新学習指導要領の内容…第4学年(4) アの「知識及び技能」として,「(ア)県内の文化財や年中行事は,地域の人々が受け継いできたことや,それらには地域の発展など人々の様々な願いが込められていることを理解すること。(イ)地域の発展に尽くした先人は,様々な苦心や努力により当時の生活の向上に貢献したことを理解すること。(ウ)見学・調査したり地図などの資料で調べたりして,年表などにまとめること。」を示している。 イの「思考力,判断力,表現力等」として,「(ア)歴史的背景や現在に至る経過,保存や継承のための取組などに着目して,県内の文化財や年中行事の様子を捉え,人々の願いや努力を考え,表現すること。(イ)当時の世の中の課題や人々の願いに着目して,地域の発展に尽くした先人の具体的事例を捉え,先人の働きを考え,表現すること」を示している。新学習指導要領での変更事項等①県内の主な文化財や年中行事などを取り上げる 祭りは伝統的な行事であるが,他の年中行事や文化財,遺跡,日本遺産・世界遺産などを取り上げることもできる。どんど焼き,虫送り,お月見,獅子舞,地域にある遺跡や日本遺産・世界遺産など,県や地域の実情に応じた事例を取り上げてもよい。 祭りや年中行事,文化財,遺跡,日本遺産・世界遺産などを保存し継承している人たちの姿やその願い,努力などが子どもたちの調べ学習でわかる事例であることがポイントである。② 地域の伝統や文化の保存や継承に関わって,自分たちにできることを考えたり,選択・判断したりできるようにする 「1 県内の祭りや文化財」は,県内の事例を学び,児童自身が選択・判断を要する内容となっている。したがって,単元の後半で選択・判断が求められる展開では,児童が身近で自分たちの問題として考えられる地域の事例などが必要となるだろう。③地域の発展に尽くした人々の事例について 開発,教育,文化,産業などに新しく医療が追加され,これらの分野から,先人の具体的事例を選択して一つを取り上げる。大単元について学習活動を充実させるために調査活動を軸に学習を展開する 同世代の子どもたちが参加している祭りや年中行事,社会見学旅行などで見学した建造物,観光で行ったことのある県内の遺跡や日本遺産・世界遺産など,児童が身近に感じ,机上の学習に留まることのないよう,見学や体験活動,聞き取り調査,インターネットや図書館を利用した資料収集活動など,多彩な学習方法を活用させたい。社会的事象の見方・考え方を働かせる 県内の文化財や年中行事について,社会的事象の見方・考え方を働かせる場合,いつ頃,どのような理由で始まったのか,どのような経過で現在に至っているのか,人々は保存や継承のためにどのような取り組みをしているのかなどの問いを設けて調べたり,それらを人々の願いや努力と関連づけて考えたりする学習活動が必要となる。児童自らが選択・判断をする 地域の伝統や文化の保存や継承に関わって,児童が自身の問題として,選択・判断がおこないやすくなるよう,県内の事例も参考にし,地域の人からの聞き取りや体験活動を取り入れ,問題を見出し,自分たちができることなどについて表現させたい。