ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕
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小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕
68 Ⅳ 単元構成の参考事例(4年)4年の単元構成案1 わたしたちの住む県(全7時間)新学習指導要領の内容…第4学年(1) アの「知識及び技能」として,「(ア)自分たちの県の地理的環境の概要を理解すること。また,47都道府県の名称と位置を理解すること。(イ)地図帳や各種の資料で調べ,白地図などにまとめること。」を示している。 イの「思考力,判断力,表現力等」として,「(ア)我が国における自分たちの県の位置,県全体の地形や主な産業の分布,交通網や主な都市の位置などに着目して,県の様子を捉え,地理的環境の特色を考え,表現すること。」を示している。新学習指導要領での変更事項等①自分たちの県の地理的環境の概要の理解 4年では,全体を通して自分たちの県を中心とした地域を学習対象とすることになる。この大単元では,4年全体の学習の導入的な側面をもちつつも,人々の生活と関連づけて地理的環境を理解することが求められる。そのためには,日本の中での県の位置や近隣の県との位置関係を把握した上で,県内の地形の様子(土地の高低,山地・高原・盆地・平野の分布,主な河川)を,土地利用,交通網,産業や人口の分布などと関連づけて考え,理解する必要がある。こうした理解の手助けとなるよう,県境と市境を示した白地図,地勢図,土地利用図,交通網,産業の分布,人口の分布などのさまざまな地図や,県内の特色ある地域やランドマークの写真などの資料を活用することが重要である。② 地図帳や各種の資料で調べ,白地図などにまとめる技能 地理的環境について調べたりまとめたりすることを,技能として身につけさせるためには,単に活動を取り入れるだけで十分ではない。学習問題の解決のために,必要な情報を収集し思考する学習活動を展開することが必要である。目的を意識して,地図や資料の重要部分を指で差したり,読み取った特色を言語で表現したり,白地図に書き写したりする活動に取り組ませることが大切である。大単元について学習活動を充実させるために知識・技能・思考を関連づける活動を展開する この大単元では,読み取りやまとめの技能を高めながら,各種の地図や資料から得た知識が増えていき,それらをまとめることにより思考が深まる。単元を通した見通しをもたせ,それまでの学習でわかったことや考えたことを振り返り,気づきを活発にするためには,学習の足跡が残るようなワークシートやノート,教室掲示物等の工夫が求められる。社会的事象の見方・考え方を働かせる 位置や空間の広がりに着目し,地形の特徴と,産業,人口,交通等の人々の生活との関連に気づかせるために,地図等の読み取りの質を高めていく必要がある。一つの地図から読み取れることも,複数の地図を見比べることによって読み取れることもある。例えば,市境を示す白地図をトレーシングペーパーに写し取り,地勢図,土地利用図,交通網等の地図に重ね,気づいたことを話し合う活動は有効である。学習のまとめを表現する 地理的環境の特色について考えたことを表現する活動を取り入れる。話し合いの活動や,PR 紙の作成などの学習活動を充実させ,思考したことにもとづいて表現する力を高めていくことが求められる。柴田 好章