ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

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小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

5◆ 『考察する力』と『構想する力』を両輪として… これに対して,「思考力,判断力,表現力等」の中の「社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて『構想する力』」については,この度の改訂でその育成が新たに求められている資質・能力である。 つまり,社会科では,これまでどおり社会的事象等を学びの対象とし,まず,『考察する力』を駆使してその本質を追究しようとする。その過程で生み出された問いや疑問などについて,「調べまとめる技能」を駆使して調べ,理解などを図る上で必要となる知識(情報)を獲得する。それを基に社会的事象等のもつ意味や意義,特色や相互の関連を考え,事実(根拠)に基づく考えを導き出していくのである。ここまでが従来の社会科である。 一方,新学習指導要領では持続可能な社会づくりの観点から,さらに一歩先の近未来にまで目を向け,「社会に見られる課題を把握し,その解決に向けて創造的に問題解決していく力」の育成を求めている。それが『構想する力』である。 この『構想する力』がより確かなものとして発揮されるためには,現実社会を鋭く読み解くことが必要不可欠である。 『考察する力』を駆使して社会的事象等の本質を探り出す探究の上にこそ,社会に見られる課題を把握し,その解決に向けて創造的に問題解決していく力が発揮されるのである。 中教審答申の言葉を借りれば,「自国の動向とグローバルな動向を横断的・相互的に捉えて現代的な諸課題を歴史的に考察する力」と「社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて構想する力」こそが,よりよい社会の形成に参画する資質・能力の両輪であるといえる。◆ “過去を知り,今を見つめ,未来を考える”社会科へ このように,新学習指導要領では,社会の現状に対して,広く世界に目を向けながら歴史的に考察することを通して鋭く洞察し,今の社会が抱える諸課題を把握し,その解決に向けて社会への関わり方を選択・判断する力の育成を強く求めているのである。 そうした資質・能力の育成を図るためには,社会科観の転換,すなわち“今の社会を読み解き,社会との付き合い方を学ぶ”社会科から,“過去を知り,今を見つめ,未来を考える”社会科への転換こそが必要となるのである。(2) 今こそ問題解決学習◆学習の問題を追究・解決する活動を通して 社会科の教科目標,各学年の目標及び内容を見比べると,次に示す通り,そのすべてにおいて問題解決学習を意味する言葉や文章が盛り込まれている。■「知識・技能」・社会的事象等に関する理解などを図るための知識・社会的事象等について調べまとめる技能■「思考力,判断力,表現力等」・社会的事象等の意味や意義,特色や相互の関連を考察する力・社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて構想する力・考察したことや構想したことを説明する力・それらを基に議論する力■「学びに向かう力・人間性等」・主体的に学習に取り組む態度・多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵養される自覚や愛情○課題を追究したり解決したりする活動を通して,(中略)資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。(教科目標)○学習の問題を追究・解決する活動を通して,(中略)次のとおり資質・能力を育成することを目指す。(学年目標)○学習の問題を追究・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。(各学年の内容)※教科目標については,中学校で用いる課題解決という表現に揃えている。