ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

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概要

小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

60 Ⅳ 単元構成の参考事例(3年)新学習指導要領の内容…第3学年(1)アの「知識及び技能」として,「(ア)身近な地域や自分たちの市の様子をおおまかに理解すること。(イ)観察・調査したり地図などの資料で調べたりして,白地図などにまとめること。」を示している。イの「思考力, 判断力, 表現力等」として,「(ア)都道府県内における市の位置,市の地形や土地利用,交通の広がり,市役所など主な公共施設の場所と働き,古くから残る建造物の分布などに着目して,身近な地域や市の様子を捉え,場所による違いを考え,表現すること。」を示している。新学習指導要領での変更事項等①市役所の働きを取り上げる 身近な地域や市の様子に関する内容については,公共施設の場所と働きに「市役所など」という文言が新たに加えられ,市役所の働きを取り上げることが示されている。 取り上げる市役所の働きとしては,多くの公共施設が市役所によって運営されていることや,災害時における避難場所は市役所において指定されていることなどが考えられる。②学年の導入で扱う ここでは,第3学年の内容の(2),(3)及び(4)に関わりがあることを踏まえて,学年の導入で扱うようにする。③自分たちの市に重点を置く 授業時間数の配分などを工夫して,「自分たちの市」に重点を置いた効果的な指導をおこなうように計画することが求められている。④方位や地図記号について扱う 市の様子に関する内容の指導において,自分たちの市の位置を確かめたり,調べたことを白地図にまとめたりする際に必要な方位や主な地図記号について,地図帳を参照して理解し,活用できるようにすることが求められている。3 年の単元構成案大単元について学習活動を充実させるために1 わたしたちの住んでいるところ(全17 時間)本単元の着目点と中心となる活動 都道府県内における市の位置,市の地形や土地利用,交通の広がり,市役所など主な公共施設の場所と働き,古くから残る建造物の分布などに着目して,身近な地域や市の様子について,地図や写真などの資料で市の位置や地形,土地利用,交通の広がりなどを観察したり調べたりして,白地図にまとめる活動が考えられる。その際,観察・調査して必要な情報を集める技能,地図などの資料から位置や地形,広がりや分布などを読み取る技能,地図記号を使って,調べたことを白地図などにまとめる技能などを身につけるようにしたい。社会的事象の見方・考え方を働かせる 身近な地域や市の様子について,市はどこに位置しているか,どのように広がっているか,どのように利用されているかなどの問いを設けて調べたり,駅や市役所の付近,工場や住宅の多い所,田畑や森林が多い所,伝統的な町並みがある所など,場所ごとの様子を比較したり,主な道路と工場の分布,主な駅と商店の分布など土地利用の様子と,交通などの社会的な条件や土地の高低などの地形条件を関連づけたりして,市内の様子は場所によって違いがあることを考え,文章で記述したり,白地図にまとめたことをもとに説明したりすることが考えられる。真島 聖子