ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

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小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

56 Ⅲ 原稿執筆のポイント1 スキルページを構成小単元「わたしたちの市のようす」では市の,「わたしたちの県のようす」では県の地図を読んで,市や県の地形や土地利用のようすなどを調べる学習があります。地図にはたくさんの情報があることを理解し,読み取る技能を身につけることが求められます。とくに,平成29 年告示の新学習指導要領から,地図帳は3年から配布することが定められているので,地図を読み取り,活用することは非常に重要になっています。地図の読み方を充実するために,地図の読み方のスキルページを副読本に構成したいと考えます。2 見 るまず,地図の読み方の基本は,地図を「見る」ことです。見るとは,地図を見て「見えること」を読み取ることです。街がある,山がある,川がある,田がある,畑がある,市役所(町・村役場)があるなど,地図にあらわされていて見えることを,数多く見つけさせることです。地図に見られる事柄や事実をたくさん見つける訓練は,きわめて大切なのです。それは,やがてそれをもとに「読む」という活動がはじまるからです。3 読 む見えることをたくさん見つけていくと,「読む」という活動が自然にはじまります。それをそのままにしないで,子どもに意識化させることが大切であると考えます。なぜなら子どもは,「見る」と「読む」の違いをまったく意識していないからです。子どもに意識化されたとき,「読み」の深まりを子ども自身が意識できるのです。「○○町はわたしの市の東にある」とか,「この村は山に囲まれた川沿いにある」とか,「○○市まではずいぶん遠い」などの「読み」が生まれてくるのです。こうした「読み」は,スキルを重ねて,はじめてできるものでしょう。そして,できるようになると,子どもは地図に大変興味をもってくるようになり,さらに深い「読み」をしはじめるものです。したがって,こうしたスキルを身につけるきっかけになるページを副読本に構成しておきたいのです。こうしたスキルを積み重ねていくと,やがて,「描く」ことができるようになります。4 描 く「描く」とは,地図のいろいろな地点に自分をおいて,周囲の景色を頭のテレビに映し出すことができる「読み」です。子どもはそのテレビを言葉で表現したり,絵で表現したりするのです。「○○町の東の方を見ると,遠くに高い山が続いて見えます。その手前には田が広がっています。その真ん中を○○川が流れ,川は南から北へ向かって流れています。田の手前には,住宅が見えて……」というように,地図の中に自分をおいて周囲の景色を描くのです。これは,方位も地図記号も縮尺も等高線もすべて活用して地図を「読み」,それを「描く」ことになるのです。地図の読み方の基本をおさえる