ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕
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小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕
551 資料の読み方,考え方の基本児童が一人で,あるいはグループで資料を選択し,学習問題について調べる「調べ学習」の授業がよく見られます。しかし,その授業ではいつも,調べるのではなく,資料などをそのまま写す調べ学習に終わっているという問題が出されます。あるいは,事柄だけを写して自分の考えが表現されてはいないという問題も出されます。その最大の原因は,資料などの読み方の指導がなされていないのではないかということになるでしょう。資料にあたったとき,それをどのように読み取ったらよいのかということを指導しないでは,調べ学習はなかなか進まないでしょう。学び方,調べ方の学習を展開するには,資料の読み方,考え方の基本をしっかり指導することが必要なのです。2 見えたこと,見えないこと資料の読み取りの出発は,すべて,資料から事実や事柄,つまり見えることを正しく,数多く引き出すことからはじまります。たとえば,スーパーマーケットの牛乳売場の写真に当面したとき,単に感覚的にわかったことをいうのではなく,そこに見える事実や事柄を引き出すようにするのです。そうすると,児童は,牛乳の種類,牛乳パックの大小などをいうでしょう。そして,スーパーマーケットの牛乳棚にはいろいろな種類があることを,あらためて感じ取っていくでしょう。事実や事柄が十分に引き出されると,その事実を,比較したり,関連づけたり,分けて考えたり,時間の流れで考えたり,生活経験から考えたりして,いろいろ見えないことを考えるようになります。たとえば,「北海道牛乳はおいしいよ」とか,「ぼくの家ではいつも,大きいパックにしている」とか,「大・中・小とパックがあるのは,家族の人数に関係があるのではないか」とか,「大きいパックが多いのは,きっと大きいパックがよく売れるからだと思うよ」など,事実や事柄から考えたこと(これを,見えることから見えないことを考える,といいます)が出されるようになります。3 総合するこうして,見えないことをたくさん自分で積み重ねていくうちに,見えないことの意味のまとまりが出てきます。たとえば,「お客さんが選べるように」とか,「欲しいものを買えるくふう」とか,「お客さんの好みを大事に」などです。これは,「キーワード」といわれています。つまり,その資料のテーマになることの表現なのです。このように,資料にあたったら,見えること → 見えないこと → キーワード,というように読んでいくことを,しっかり訓練しておくと,子ども自身の考えを表現できるようになります。資料を読む視点を問いかけてやり,資料の読み方,考え方のできる副読本に構成していきたいものです。資料の読み方,考え方の基本をおさえる