ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕
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小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕
52 Ⅲ 原稿執筆のポイント1 問題解決的な学習問題解決的な学習は,いうまでもなく子どもたちの素朴な疑問から,問題をつかみ,見通しをもって調べ,考え,解決していく学習といえます。そして,自分の調べたこと,考えたことを振り返り,確かめ,表現し,発表,交流するという流れになります。副読本は,この学習構造をふまえて構成することが大切です。2 問題をもたせる教材のくふう自ら問題をもつというと,子どもに「さあ,調べたいことを書きなさい」といって自由に書かせ,それを教師が中心になって仲間分けをして問題をつくるといった授業をよく見かけます。こうした問題は本当に子どもの気持ちから考えた問題といえるのでしょうか。教師が書けといったから……と思って書いている子どもが多く,さらに,これとこれは同じだからといって教師が仲間分けをする。これでは本当に子どもの気持ちから引き出された問題とはいえないでしょう。この単元のねらいを追究する問題で,しかも子どもの知的好奇心に裏づけられた問題を引き出すような場面の設定が必要です。たとえば,火事のとき,消防自動車が火事場の直近に停まると子どもたちは考えています。この認識をゆさぶる教材,つまり,実際にどこに消防自動車が停まるかの事実を提出すると,子どもたちは自分の認識がゆさぶられて,「おかしい,どうして?」といった疑問をもつようになります。そして,この単元のねらいである組織性,機動性を追究する問題をもつのです。こうした,問題をつかむ場面の教材をくふうして,副読本のページを構成することが大切です。3 調べ方の教材のくふう問題をつかむ段階の次は,調べ方を考える段階です。調べ方は学習指導要領にとくに強調されていることの一つです。調べ方を考えるには二つのことがあります。一つは,調べたいことで,自分のもった問題を解決するには,どんなことを調べたらよいかということです。火事の単元でいえば,見学に行って消防署の方にどんな質問をしたらよいかがそれにあたります。しかし,副読本に完璧にそれを載せておいたら,子どもの考えることがなくなってしまうので,いくらか出して,あとは子どもに考えさせるようにします。もう一つは,どうやって調べるかということで,火事の単元では,消防署の見学をして調べることになりますが,ほかの単元ではそれにふさわしい調べ方があるはずです。それを少し出して,あとは子どもに考えさせるようにしたいと思います。4 追究と確かめ教材のくふう追究は,その問題の追究に十分な資料を,順序よく提出することが大切です。確かめの基本は事実や意味とそれを得たプロセスを振り返り,確かめるのであって,新聞などは,そのあらわし方の問題です。確かめの仕方は58 ページを参照してください。問題解決的な学習の副読本