ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

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概要

小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

46 Ⅱ 原稿のつくり方1 副読本のできばえ副読本の作成にあたって,もうひとつ留意したいことがあります。編集の技術です。本のできばえは,編集者の腕しだいといってよいでしょう。教科書の編集者の仕事を見ていると,1枚のグラフを入れるのでも,そのグラフのもつ価値や意図,その学年の児童の読み取り能力を考えてつくりあげています。とくに最近はカラー刷りで,色覚特性に対する配慮(カラーバリアフリー)など色の使い方にも気をつかっています。そのような作業は,教師に頼んでできるものではありません。副読本の編集でも同じことがいえます。したがって,編集者に編集会議への出席を必要に応じて依頼し,編集の意図をよく知ってもらうことが大切です。印刷をする前に,編集者の手を経るようにしたいものです。本の印刷・製本の発注は,たいていの場合,市の教育委員会の担当者がおこないます。その担当者に,社会科副読本の意味を伝え,それを具現化してもらえる編集者のいる出版社に発注するように要請することが必要でしょう。2 校 正副読本の校正は執筆者だけが校正にあたるのではなく,最初の校正は編集委員会のメンバー全員であたるようにしたいものです。一人ひとりの執筆者には個性があり,表現にも独特の言い回しがあるものです。国語の教師の力を借りるのも方法です。もうひとつ留意したいのは,図版・グラフなどの校正です。挿絵のようすが事実と違っていたり,グラフが正確にかかれていなかったりすることがよくあります。グループで全体を通して見ることも必要でしょう。3 原稿を渡してからのおもな工程出版社にWord や一太郎で作成したデジタル原稿を渡してから,本になるまでのおもな工程を記しておきます。10 月 デジタル原稿渡し(プリントしたものを添付)    出版社では原稿整理(Word や一太郎の電子データの切替,図版や写真の指定等)をおこない,デザイン事務所あるいは印刷所に入稿します。11 月  文字組み・図版の作成等パソコンを使って紙面がつくられていきます。12 月 中旬─初校カンプ出校    現地校正(執筆者による校正)1 月 赤字修正  2 月 初旬─再校カンプ出校,現地校正 (執筆者による修正確認及び校正)    赤字修正(出版社で修正を確認) 印刷準備3 月 DDCP(ダイレクト デジタルカラー プルーフィング)出校,編集委員長・副委員長らの校正印刷・製本,納入・配布原稿が仕上がり,印刷が終わって,児童の手にわたるその時点で,最善のものができあがっている必要があります。そのために,校正点検の作業がいるわけです。印刷・製本の依頼について