ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕
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小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕
44 Ⅱ 原稿のつくり方1 第2次原稿の検討編集会議の中心は,第1次原稿の検討と同様に,各担当者が分担した原稿の内容検討です。そこでの検討の視点は,事実の正誤について,教材性について,児童の興味・関心や意欲性などについてです。児童の立場で文章を読み,誤読の恐れがないかも確認します。たとえば「町中を歩いて調べた」は,「町じゅう」と読ませるのか「町なか」と読ませるのかです(このような場合は,「町じゅう」,「町の中」としていくとよいでしょう)。文章の文法上の正しさ,内容の児童に対しての適切性などが厳しく吟味される必要もあります。このことは,写真・図表・グラフなどについても同様です。教材性の吟味で大切なことは,見たり読んだりして捉えられるものと,事実と事実との関係など目に見えないものとがあることを承知して検討することです。とくに,どんな関係把握を児童にさせるかという点から提示された教材を吟味することです。2 外部の意見を聞く第2 次原稿は,余分に刷っておくとよいと思います。それは,次の仕事に関連していくからです。第2 次原稿についても,現に3年なり4年を担当している教師に検討を依頼します。部外者の意見も貴重です。もちろん,取材地の教師や関係者にも原稿を送り意見を聞くことはよいことです。よい副読本を作成するためには,こういう努力も必要になってきます。こういうことをあらかじめ見込んで編集スケジュールを立てておくことが大切です。時間に追われての仕事にはよいものがありません。この点にも,編集責任者の任務の大変さはあるのです。3 図と本文との整合性を再確認最近はパソコンで原稿を作成する人がほとんどとなりました。ですから,誤植はなくなってきましたが,反対に変換ミスなどがあります。多くの人の目を通すことが大切です。よく,図の内容と本文とが合わないということがあります。細心の注意をしていても,思わぬところでミスが出ることがあります。これらの表や図は重要な資料となりますので,原稿検討のときに,よく確認をしておく必要があります。写真についても同じことがいえます。何枚も撮ってきたなかで,うっかり違う方を出すことも考えられます。見た感じだけでなく,資料の中身をよく点検しましょう。4 全単元の構成の確認副読本の単元構成をはじめ,ページ数の確認をし,文章や資料について確定していきます。それだけに一段と慎重さが要求されます。全体の整合性をきちんとすることは大事なことです。自信をもって副読本を生み出し,学校に供給することのできることは,たいへん重要なことです。こうして,原稿ができあがるわけです。できあがった原稿は,紙に出力(プリント)します。プリントした原稿にはページ番号(ノンブル)をつけ,電子データとともに,出版社に渡します。第2次原稿の検討会について