ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

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概要

小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

42 Ⅱ 原稿のつくり方1 3・4 年の社会科教科書の特徴3・4年生の学習は,とかく,教科書は机の中にあって使わないことが多いのが現状です。地域の学習に教科書は役に立たないというのでし ょうか。3・4年の教科書は,ともにあるモデル地域を設定して,その地域の児童がどう地域社会を探究していったか,事例紹介を通常としています。3・4年の教科書の特徴をまとめると,以下のようなことがいえます。①学習方法の,基本的な流れがわかる。・「問題をつかむ」「見通しをもって調べ,考え,解決していく」という問題解決の流れがわかる。②それぞれの学習過程における,基本的な教材がわかる。・「わたしの問題」を考えるのに必要な教材が精選して載せられている。・「わたしの見方・考え方」の学習の仕方がおよそわかる。③自分の調べたことや考えたことの,事実や意味の表現の仕方がわかる。このように,3・4年の社会科教科書の役割の一つは,問題をつかみ,調べ,考え,表現するという社会科の学習の仕方を,モデル地域(事例)を通して身につけることにあります。教科書はそれをうまく表現しています。2 副読本の中に教科書との関連を社会科教科書と併用した社会科副読本はできないのか,こういった発想で取り組んでいる市の副読本もあります。「教科書の学習のめあてを読んでみましょう。」あるいは,調べる計画を立てる際に,副読本にはそれを示さずに,「見学の計画は,教科書の○○ページを手がかりにして立てましょう。」と指示しておくのです。確かめの仕方も,そうすることができます。このようなうながしを副読本の全単元にわたって配慮していくのです。教科書を積極的に活用して学習の仕方を学ばせ,地域社会を調べる意欲をかきたてる副読本もあるのです。このような副読本をめざすとすれば,教科書と副読本との関係を理解する必要があります。このことは,地域学習がどの単元のどの位置で,どの内容について展開され,どこで教科書を使用していくのかということを検討し,明確にすることでもあります。その結果,教科書と副読本との関係や効果的な使い方を理解することができます。検討の方法として,3年及び4年の年間学習指導計画と教科書を使っていくとよいと思います。とくに,教科書には具体的な教材が示されています。対象とする地域こそちがっていても,単元の導入の仕方,学習の展開の仕方,教材構成の仕方,文章表現の仕方,まとめの方法など参考になるところが多いと思います。このように,教科書は副読本で学習するうえでの具体的な手引書といえるのです。 教科書を見て,方位や地図記号について学習しましょう。教科書との併用について