ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

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概要

小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

251 副読本での教材素材とは,地域などにもともとある状態の材料のことをいいます。これを学習にあわせて加工することによって教材になるのです。この教材を児童にどのように見せるのかが,副読本編集の大きな課題となります。副読本には,①文章(本文・人物の話),②写真,③地図,④図表やグラフ,⑤イラストと,大きく分けて五つの教材があります。それぞれの特徴を考え,学習に適した紙面に位置づけることが大切です。次に,それぞれの教材の特徴を示します。① 文章…多くの内容を示すことができるが,児童一人ひとりの受け取り方が違う場合があるので注意する。② 写真…事象の様子がそのまま見て取れ,リアリティーがあるが,活用に際しては具体的な視点を用意することが必要である。③ 地図…実際の地形をある割合に縮め,多くの記号を用いて,平面上にあらわしたものなので,読み取りなどの学習が必要になる。④ 図表やグラフ…変化や違いを捉えるには便利であるが,算数との関係が問題になる。また,読み取りなどの学習が必要になる。⑤ イラスト…児童に親しみやすく,誇張したいところなど工夫しだいでわかりやすい教材となる。しかし,写真に比べてリアリティーが少ない。肝心なことは,それぞれの特徴を生かしてポイントを捉えた教材に仕上げることです。2 学習指導要領と地域・児童の実態素材を教材化するにあたって考慮しなければならないことは,学習指導要領の目標と内容を十分に吟味し,地域にある多くの素材から児童や地域の実態に沿ったものを選別することです。しかし,いくら面白い素材でも,それを追究しきれるかどうか児童の発達段階も考えることが必要です。難しすぎると取り組む意欲を失ったり,面白さだけではねらいに即した学習ができなくなったりします。こうした問題については,編集委員会で十分に話し合い,ねらいをはっきりともって学習過程を組み立てていくことが肝要です。3 学習のねらいが明確になる構成学習過程を組み上げたら,それぞれのねらいを明確にした①~⑤の教材即ち資料の配置を考えます。例えば,工場の単元であれば,仕事の種類,産地の分布,仕事の工程などが着眼点となり,地域の工場の分布図,材料・原料とその製品の写真,工場内の写真と働いている人の工夫などの話などの資料が必要になってきます。こうした資料の配置を考えて単元を構成していきます。副読本の編集は,まさに授業づくりと同じ作業なのです。4 副読本の執筆にあたって取材や資料収集によって得られたものは,依然として素材の段階にあります。その素材をもとにして学習のねらいに迫るための教材化を進めなければなりません。その中心になる仕事が執筆の作業です。ここからは,どんなことに配慮しながら執筆を進めたらよいか,素材の教材化から副読本執筆へ