ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

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概要

小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

24 Ⅰ 副読本編集の手順1  中央教育審議会答申と  選択・判断する力の育成今回の学習指導要領の改訂で,選択・判断する力の育成が新たに取り上げられました。中央教育審議会答申において,「生きる力」の三つの柱がより具体化されるとともに整理されました。その二つ目の柱イで,「理解していること・できることをどう使うか(未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成)」が明示されました。このことを受け,新学習指導要領社会編では,目標の2に,「社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考えたり,社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて社会への関わり方を選択・判断したりする力,考えたことや選択・判断したことを適切に表現する力を養う」ことが位置づけられたところです。2 「選択・判断する力」を育てる単元「選択・判断する力」を育成する単元として,第3学年では,「消防・警察」,第4学年では,「水・ごみ」「自然災害」「祭り」と,四つの単元で育成を図ることになりました。これら以外の単元では,第3学年「市の移り変わり」においては,「これからの市の発展に関心をもち,市の将来について考えたり討論したりする。」ことも示されています。3 「選択・判断する力」を養うとは「社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて社会への関わり方を選択・判断する力を養う」ことの例示として,新学習指導要領社会編では,次のように示しています。3年では,「地域や自分自身の安全に関して,地域や生活における課題を見いだし,それらの解決のために自分たちにできることを選択・判断したり,これからの市の発展について考えたりする力を養うようにすること」としています。また,4年では,「節水や節電,ごみの減量や水を汚さない工夫,自然災害に対する日頃からの備え,伝統や文化の保護・継承などに関して,地域や生活における課題を見いだし,それらの解決のために自分たちにできることを選択・判断する力を養うようにすること」としています。4 「選択・判断する力」の育成の実際新学習指導要領社会編では,3年「消防・警察」において次の例を紹介しています。○ 地域の人々がおこなっている火災予防,交通安全や防犯などに関わる活動の中から,地域社会の一員として自分たちにも協力できることを考える。○ 自分自身の安全を守るために日頃から心掛けるべきことを選択・判断して,それらをもとに話し合う。○ 火事を引き起こさない生活の仕方や事故を起こしたり事件に巻き込まれたりしない行動の仕方について討論したり,標語やポスターなどを作成したりする。ここに示された問いや活動を執筆では,児童の実態に即し示したいものです。選択・判断する力の育成