ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

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概要

小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕

171 三つのタイプ副読本のタイプとして,解説的なもの,資料的なもの,作業的なものがあげられます。これからの社会科の学習においては,児童が積極的に取り組み,自己学習力を高めるという観点から,資料を重視した問題解決的な副読本の作成が望まれます。ただ,これに加えて,児童の活動をうながす観点から,資料を見る問いや作業の指示のあるものが学習のしやすい副読本と考えます。2 読み物としての副読本から脱皮編集委員は取材を十分におこなっているので,とかく児童にその多くを伝えたいと考えがちです。これは,熱心な取材をすればするほどあらわれやすい傾向です。すると,たくさんの情報を示すために文章で説明し,資料はその説明の道具になることが多くなります。また,読み物にするとすべてを伝えきったと錯覚しがちです。これでは学習は読んでおしまいになり,あとは,その内容を覚えるだけとなってしまいます。肝心なのは,児童がどのように社会的事象を見取るかということです。ここで,説明的な副読本にならないためのいくつかのチェックポイントを示しておきます。・ページ構成の中で,文章が3 分の2 をこえていませんか?・資料の大きさは小さくないですか?・グラフや表の内容をそのまま説明していませんか?・児童に考えさせる問いかけを入れていますか?・資料を見るポイントは示してありますか?しかし,地域に残る文化財や,年中行事の学習のように,説明的,概説的な学習になりがちな小単元もあります。3 資料を重視した副読本の構成まず配慮したいことは,資料のスペースを大きくとることです。とくに写真資料などは,小さいものだと実感もわきませんし,読み取りが十分におこなわれません。グラフについても,小さく載せては変化の度合いや違いが捉えにくくなるでしょう。では,資料でなかなか捉えきれないところは,どのように表現したらよいのでしょう。社会的事象についてじっくり言葉で説明していくのは簡単ですが,これでは児童はただ読んで知るだけの活動になってしまいます。この場合,吹き出しという手法があります。店長さんや地域の古老などの人物を設けて語らせるのです。こうすると,説明文ではなく資料として生きてきます。児童はそこから読み取って探究していくことができます。4 キャラクターの活用また,資料を読む際の視点を示すことが必要です。これには,キャラクターを登場させ,たとえば,「どこにお店が集まっているのかな」というように語らせるのです。このキャラクターには複数の人物を想定しておき,疑問を投げかける役,行動を示す役など,目的別に登場させるとよいと思います。副読本のタイプを決める