ブックタイトル小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕
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小学校社会科3・4年生用 副読本作成の手引〔新訂版〕
9きのことである。この知的好奇心こそが“「わたしの問題」を生み出す原動力”となるのである。◆子どもが自分の体と頭を使って学ぶ 二つ目のポイントは,“子どもが自らの諸感覚を通して体と頭を使って学ぶ学習”,例えば,実物に触れる学習,農家や工場,消防署などの実社会の現場に足を踏み入れて体験的に学ぶ学習,地域社会を支えている人々から直接話を聞く学習などを一層重視することである。 社会は人と人のさまざまなかかわりで成り立っている。その社会の中で生きる人々と直接かかわって学ぶ学習こそが,社会科の学び方の基盤となるものである。ところが実際の授業では,そうした実社会の現場に足を踏み入れ,人々と直接かかわって体験的に学ぶことができる機会はごくわずかである。地域学習こそが,その絶好のチャンスなのである。◆体験を振り返る言語活動を工夫する 三つ目のポイントは,二つ目で述べた体験的な学習の効果をより一層高めるための“体験の言語化”と“言語による思考・表現活動”などの言語活動の充実を図ることである。 “体験は一過性の学び”である。時が経てば,そこで学んだことは,記憶の底に沈んでしまう。それを補うには,体験を通して発見したり考えたりしたことを,絵や文字に書き表し,言葉で伝え合うなどの“体験を振り返る言語活動”を工夫し,体験を学習経験へと昇華させることが大切である。◆観察や調査の技能を段階的に高める 四つ目のポイントは,観察や見学などの体験的な学習の場で,“観察や調査の技能を段階的に高める”指導の充実を図ることである。具体的には,「ありのままに観察する」「数や量に着目して調査する」「観点に基づいて観察,調査する」「他の事象と対比しながら観察,調査する」「まわりの諸条件と関係付けて観察,調査する」などの技能を機会あるごとに繰り返し指導する必要がある。◆作業的な学習を一層重視する 五つ目のポイントは,“作業的な学習を一層重視する”ことである。 例えば,白地図を着色して分布の傾向や特色を発見する,調べて得た数値を表やグラフにまとめ変化の傾向を探る,調べた事実を時系列に並べて年表の形に整理し移り変わりや変遷の様子をとらえるなど,作業や操作を伴う活動を工夫していくのである。 この作業的な学習では,体験的に学ぶ学習と同様に,すべての子どもが夢中で取り組むなど,“どの子も主体的に学ぶ授業づくり”が期待できる。このような学習を通して楽しみながら社会科を学ばせ,“社会科好きの子ども”を育てていくことが何より大切である。◆「自分発→みんな経由→自分行き」の学びを目指す 六つ目のポイントは,「自分発→みんな経由→自分行き」の学びを目指すことである。 「自分発」とは,「わたしの問題」をもち,体験的な学習や作業的な学習などを通して,個々の子どもが自分の考えをもつ学習場面を保証することである。 「みんな経由」とは,ペアやグループ,学級全体での話し合いなどを織り交ぜ,“事実に基づく「わたしの考え」の交流を図り,共に学ぶ仲間と互いの考えを吟味・検討し合い,考えを深め合っていくことである。 「自分行き」とは,授業の終末段階で本時のまとめをノートに自分の言葉で書く場面を設けることである。 こうした学び合いの積み重ねを通して,“主体的・対話的で深い学び”へと子どもを導くことが大切である。