ブックタイトル成長する先生のための指導のABC

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概要

成長する先生のための指導のABC

3「聞く」ことは,見ること我が国の場合,就学前や入学当初にしつけ的な指導に多くの時間が費やされます。例えば,先生の目を見ながら話を聞くことや,手を膝の上に乗せてよい姿勢をとることなどです。これは,子どもが先生の姿を常に追う「常視率」を高めることに役立ちます。そのため日本の場合,諸外国に比べて,先生を見る常視率が高いというのです。これは学習の理解を促進することに大いに役立っています。でも,先生が話したあとに「先生!いま何っていったの?」と聞き返すことが多い場合は,子どもをしかるのではなく,先生自身の話し方に問題がないか考えてみてください。「話すとき,互いに向き合って話しているだろうか」「要旨をまとめて話しているか」「自分自身は,子どもの言葉を真剣に聞こうしているだろうか」というように反省材料になります。「聞いていない」としかるだけではなく,話し方や聞き方の基本を押さえておくことが大切です。低学年など,「話」だけでは心に届かない場合には,「見る」「書く」など五感を通した意識づけが必要です。黒板に絵をかく,短い文章にしてノートに書かせるなどが考えられます。「これから三つのことを話すよ。一つ目は…。二つ目は…」と,何より相手意識をもって話すことが大切です。このように「聞く」ということに着目していくと,話を聞かないのは,子どものせいだと他人転嫁してはいけません。先生自身の,子どもの話を聞くときの態度はどうなのかと見直しを図ることです。日常において,自分の態度を見直すことになります。指導は,「聞く」ことからはじまります。6