ブックタイトル成長する先生のための指導のABC

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概要

成長する先生のための指導のABC

1「あのね」という心のメッセージ子どもには,いつも誰かに伝えたい「あのね」があります。大人も同じかもしれません。自分の気持ちを誰かに伝えたい,すきなあの人に聞いてほしいと思っているのです。ですから,「あのね」ではじまる言葉は,自分の存在を認めてほしい,好意をもってほしいと思って発せられるのです。そして,子どもは「あのね」の言葉のあとにつづく「真意」を先生に聞いてほしいのです。先生との間に「あのね」といえる関係づくりが求められているのです。4月当初,1年生が校門の前で,泣いています。泣きじゃくって言葉になりません。そんなとき,「どうしたの?」とたずねるだけではなく,先生の方で「あのね…」と,きっかけの言葉を投げかけると,子どもは続けて「あのね。今日ね。…わすれものしちゃったの」と不安な気持ちが伝えやすくなります。「聞いてもらえた」ということは,子どもにとって,この上ない「安心」が伴うのです。その上で,子どもの「あのね」のあとの真意や背景を受けとりましょう。子どもから「先生,あのね」といっていろいろ話してくれたら,もう互いに「すきだよ」という関係ができたのと同じです。そして,子どもに「先生も,大すきだよ」と言葉や態度など全身で伝えることです。学校が一人ひとりの子どもにとって,心の居場所になっているかが大切です。「あのね」は,心の居場所を確かめる営みなのかもしれません。「大すき」といえる関係づくりを心がけましょう。4