ブックタイトル成長する先生のための指導のABC

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概要

成長する先生のための指導のABC

41委ねるという指導~先生の力量形成~先生の力量形成に向けて,一つの鍵があります。佐伯胖は先生の力量形成に言及して「教師の腕とはなにか」と題し,「『すばらしい授業』を観察し,分析しても,こちらの『腕』はあがらないのではないか。この問題を解決するには,発想の転換が必要である。(中略)教師の『腕』というのは,教師が『身につける』ものではなく,そこにいる子ども,そこでの『できごと』に,教師は完全に『わが身を委ねる』ことができるということだ。『腕』は獲得するのではなく,子どひらもたちによって劈かれる。」*1)と述べています。よりよい先生をめざすのであれば,子ども理解が基盤にあり,その上に指導技術の向上があるのです。先生は,子どもを理解し,育てたい子ども像を明確にし,教材研究に励み,子どもが学ぶ環境を整え,その学びを支援するのです。子どものまなざしを注視し,つぶやきやささやきに傾聴することです。つまり,子どもの喜びを受けとめ共感し,共有することからしか,指導ははじまらないのです。藤岡完治は「教師として成長する過程の全体が“危機”の連続であるといってもいい,教師は自分の授業から学び,仲間に支えられ,仲間と共に学ぶことによって“危機”を乗り越え,教師として成長する」*2)といっています。あなたを成長させているのは,目の前にいる子どもたちであり,支えてくれている仲間たちなのです。先生は,子どもに学び,授業に学ぶことで成長するのです。44*1)佐伯胖『「学び」を問い続けて~授業改善の原点』小学館2003*2)藤岡完治他『成長する教師教師学への誘い』金子書房1998