ブックタイトル成長する先生のための指導のABC

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概要

成長する先生のための指導のABC

35立って話を聞くこと意味~もてなしの心~わたしたちは,様々な人と出会い,それぞれの思いを伝え合おうとします。日頃の生活の中で「この人の応対,感じいいな」と,そのもてなしに感心するときがあります。この誠意を感じる応対の要素に,笑顔や話し方,顔の向きなど,いくつか発見することができます。誠意をもって応対していると感じさせる第一の要因に「話を聞いてくれる」ということがあります。教室の教卓で事務仕事をしていて,子どもが近づいて話しかけてきたときに,つい目も顔も向けずに応対してしまうことはありませんか?職員室の机で仕事をしていて,同僚の先生が話しかけてきたときや来訪者に対して,誠意をもって接していますか?テレビドラマなどの上司と部下のシーンでは,上司は机の向こうの椅子に座り,部下はその机の前で,直立して話すシーンが思い浮かびます。これは,上下関係を意図的にあらわすためには必要かもしれませんが,わたしたちが子どもや保護者と接するときにはありえません。立って話を聞いたり,迎え入れたりします。「立って相手の話を聞く」というのは,相手に対して誠意をもって応対します,という身体で発するサインといえます。言葉や表情だけでなく,しぐさや態度も相手に伝える大きな力となります。これは指導に生かすことができます。誰に対しても,もてなしの気持ちで,全身全霊を傾けることです。そうすると,相手の気持ちも変わります。「聞くこと」の大切さを互いが実感できる瞬間です。もてなしの心は,その瞬間瞬間に全身全霊を傾けて接することです。38※鷲田清一『聴くことの力臨床哲学試論』TBSブリタニカ1999