ブックタイトル成長する先生のための指導のABC

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概要

成長する先生のための指導のABC

26「静かにしなさい」は,敗北の言葉先生が子どもに向かって,いってはいけない言葉があると,大村はまが書いています。*1)◆「静かにしなさい」「能力がなくてこの子たちを静かにする案も持てなかったし,対策ができなかったから,万策つきて,敗北の形で『静かにしなさい』という文句を言うんだということを,私はかたく胸に体しています。(中略)ほんとうに自分を深く責めながら,自分の無力を心から恥じて,その思いの中で,仕方ないから『静かにしなさい』と言うのです」(大村はまの言葉)。簡単に「静かにしなさい」と発していませんか。とても重い言葉だと感じることから指導がはじまります。この言葉を使わなくても,子どもが話を聞く態勢をどうつくるかが,先生として力量といえます。あなたには,この言葉を使わずに,子どもを集中させ,静かにさせるポケットが,どのくらいありますか。◆「わかりましたか」また,「わかりましたか」と聞くときの先生には,子どもたちに真剣な答えを期待していないという,先生自身の甘さがあると書いています。子どもにわかってもらう最大限の努力と方法を駆使しても,子どもの理解が思うように至らなかったことは何度も経験することです。しかし,授業の最終場面で「わかりましたか」と聞くとしたら,先生の威圧でしかないのです。これも,先生の敗北だと認める気持ちが,指導力の向上につながるのです。3指導って指導力を向上させるのは,「子ども」であり「授業」なのです。*1)大村はま『新編教えるということ』筑摩書房ちくま学芸文庫199629