ブックタイトル成長する先生のための指導のABC

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概要

成長する先生のための指導のABC

221往復半が会話の成立の最低条件授業などで,先生が「じゃあね」といって授業の展開を図ることがあります。「じゃあね」は,話題を転換するときや別れるときなど,次の事態を起こしたいときに発せられるかけ言葉です。これは,授業の中で,他からの異なる視点で見直し解決の道筋をつけようとするときに有効です。しかし,先生の思う方向へ展開を引き入れたいとき,子どもの意識とは無関係に「じゃあね」と投げかけて,子どもの追求しようとする問題意識を寸断することがあります。このように,「じゃあ」は有益にも無益にも働くのです。「じゃあ,きみたちの考えは○○なんだ。でも~には…」と授業にゆさぶりをかけることもできるのです。会話の基本的な成立条件は,「1往復半」といいます。それは授業において先生が“投げかけ”子どもが“反応する”そして,その反応に対して“ほめたり”全体へ返したりする投げかけの「半」が会話や授業を継続させるのです。これは対人関係としても「コミュニケーションを成立させるコツ」でもあるのです。長電話が得意な人は,この「じゃあ,これで」をいわないのです。秋のことです。1年生が花壇で,次の年の春に咲くチューリップの球根を見つけました。ある女の子がその球根を見ながら何かつぶやき,熱心に見つめています。学習時間も終わってしまいそうなときでしたから,・・・「じゃあ,かえるよ」といおうと思いましたが,思わず聞いてみました。そうすると,「どうして,春になるとあんな綺麗な色をした花が咲くんだろう?」「色はどこにあるの?」と聞くのです。「これ調べてもいい?」「もっとないかな?」「割ってみてもいい?」と次々に,その子の興味は広がります。「じゃあ,かえるよ」と話して,子どもの考えを聞いていなければ,こんなすばらしい子どもの発想に出合うことはできませんでした。3指導って会話をつなげる工夫を考えてみましょう。25