ブックタイトル成長する先生のための指導のABC

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概要

成長する先生のための指導のABC

19「まなざし」の効用「子どもの目を見て話していますか?」「子どもの意見を,目を見ながら聞いていますか?」など,目に関する教育的価値はたくさん論じられています。「目は口ほどにものをいい」「目は心の窓」などもそうです。もちろん,これらの目は単なる「眼球」を指しているのではありません。互いに意思を通じ合うという精神的な行為である「まなざし」を指しています。目と目で相手の意思を感じ察することです。*1)サッカーの試合などでも,パスを出すタイミング,ポジションなども,この「アイ・コンタクト」によって行われます。その根底には,互いの信頼関係と,練習などによって磨かれた経験やセンスがあります。どうでしょう。実際の授業において,子ども一人ひとりの「まなざし」に対して,自信をもって受けとっているでしょうか。この「まなざし」のやりとりこそが,コミュニケーションにおける最大で最高の技術なのです。その「まなざし」において,子どもの意識はどこに向いているかを察した上で,「発問」が提示されることになります。それは,先生が「問題」を話したら子どもに伝わったというようなものではありません。しぐさや表情などの態度も含め,子どもにわかってもらうために最大限の工夫と努力によって行われるのが「発問」です。発問は,クイズのような「質問」とは異なります。子どもの思いをふくらませたり,考えを深めさせたりする教育的な意味と役割をもっているのです。話すときは,目で話す・顔で話す・身体全体で話す・声に表情をつけて話す,という姿勢で臨みましょう。発問は,教育的な意味と役割をもっています。22*1)吉本均『授業成立入門教室にドラマを!』教育新書明治図書1985