ブックタイトル成長する先生のための指導のABC

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概要

成長する先生のための指導のABC

17学びはいつも未完型脳科学者の養老孟司は,自分が知ろうとしないことは自主的に情報を遮断するといっています。また,これは常識だから,とか,自分は知っているなどの「思い込み」も同じです。生きる力の中核には,主体的に「考えること」の大切さが謳われています。「主体的に考える」ということは,学びは連続するものであり,問いの連続であるということです。学ぶことは,新しい世界が開かれることです。学ぶたびに発見があり,疑問が生まれ,新たな課題を解決したいという欲求が生まれることです。知識や理解が豊かであることは,学びを豊かにします。学びたいという主体的な動きは,好奇心などの感覚や情意にかかわることが重要だいうことです。「学校教育法」第30条に規定された学力にも,探究する態度が明記されています。「わからないこと」が恥ずかしいのでなく,わからないのに,「わかっているふりをすること」「わからないままにすること」がいけないのです。さらに養老は「個性」は脳ではなく身体に宿っているといいます。しかし,現在ではそれがまったく逆転して受け止められていて,心(意識)にあると考えられています。それと同じ勘違いが「情報」についても起こっています。一般に,情報は日々変化し続け,自分は変わらない,と思われていますが,これはまったく逆で,情報こそが不変であり,日々変化しているのは自分自身だというのです。昨日のわたし,今日のわたしは,明日になったら,もういないのです。これは,日々変化する自分自身に可能性を見出そうとしているといえます。*1)人間の成長は,とめることはできないのです。わかっているふりをしないことから,学びははじまります。20※養老孟司『バカの壁』新潮新書2003*1)養老孟司『養老孟司の<逆さメガネ>』PHP新書263 2003※西村克彦『わかったつもり読解力がつかない本当の原因』光文社新書2222005