ブックタイトル成長する先生のための指導のABC

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概要

成長する先生のための指導のABC

14生活実感のある問題は熱心に考える「なるほど」という感覚を育てようとするとき,「なるほど!」にいたるまでのプロセスを醸成する必要があります。例えば,宇宙ステーションを題材にして問題をつくろうとします。子どもにとって,宇宙ステーションは,生活実感を伴いませんから,「全長は何メートル?」などと聞いても,よほど宇宙ステーションのことを研究している子どもぐらいしかわかりませんし,興味のわく問題でもありません。また,反対にみんなが知っている簡単すぎる問題を聞いても同じです。それでは,無重力状態のことを理解させた上で「宇宙飛行士たち“おしっこ”はどうやってするのかな?そして,その“おしっこ”どうやって始末するんだろう?」と聞いたら,子どもたちはいろいろ想像し「考えよう」とします。おしっこは,生活実感があるので,誰もが考えることができるのです。これは「暗黙知」*1)としてあるものを生かすともいえます。共通項として言葉や絵,図として意識させる「形式知」とするのです。そして,みんなで考えるのです。「紙おむつかな?」「なんだか恥ずかしいよ」…「ホースみたいので吸って外に出すのかな?」「そんなことしたら宇宙がおしっこだらけになるよ」など,生活実感を伴った課題の場合には,子どもたちの追求はなかなか終わりません。このような「問題づくり」ができたとしたら,楽しいですね。この宇宙ステーションは,「宇宙の小さな環境都市」といわれるくらい,リサイクルやゴミをなくすることにかけては,先進的なモデルといわれているそうです。さて,そうすると「おしっこ」は,どうリサイクルして利用するのでしょう?2授業って実感の伴う問題は追求する意識が高くなります。*1)野中郁次郎『知識創造企業』東洋経済新報社199617