ブックタイトル成長する先生のための指導のABC

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概要

成長する先生のための指導のABC

13「わかった!」(理解)を越えて「なるほど!」(納得)へ人類が言葉というものをもち,互いの意思が少しずつ言葉で通じ合えるようになった時代には,何より大切なものを短い言葉にし,会話をしたのではないでしょうか。英語の「わたし」の一人称は「I」,日本語も身体の部分の目,手などは1語。耳,足,鼻などは2語。そして,身体の多くは3語以内で表現されています。また,田,山,川,海,米など,生活に関係が深いものほど,短い単語で表現されています。これは,言葉の発生・発達に極めて関係が深く,英単語の発生・発達も,同じようなことがいえます。これらは,言葉がいまのように発達していない時代において,大切なことを的確に伝えるための知恵だったのでしょう。さて,この話を聞きながら「なるほど!」という言葉を心の中でつぶやいたでしょうか。この「なるほど感覚」が大切なのです。算数などの問題を解いたときは,「わかった!」とか「できた!」というつぶやきになるでしょう。そして,「わかった」ことを他のことにも応用できたときに「なるほど」となるのです。それでも,もっと欲をいうと,「でも,ちょっと待てよ!?」と考えて,先ほどの身体の例では短い言葉ほど重要性が高いというけれど,「か」は?「う」は?…など,どうなんだろうと「疑問」が湧いてきます。これが新たな問題となって調べてみようかなとなるのです。「学び」は,新たなる扉が開かれていくことなのです。*1)「なるほど」から「ちょっと待てよ!?」というプロセスを大切にしたいものです。「なるほど」というときには,感動(心情)と論理が効果的に働いているのです。「理解」に実感が伴うと「納得」になります。16*1)佐藤学『学びの身体技法』太郎次郎社1997