ブックタイトル成長する先生のための指導のABC

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概要

成長する先生のための指導のABC

8ほめられたいと感じているときに「ほめる」わたしたち人間には,マズロー(1908年~1970年,A.H.Maslowアメリカの心理学者)がいうように様々な欲求があります。自己実現につながるような人間としての崇高な欲求はともかくとして,「自分のことを理解してほしい」「がんばったことを認めてほしい」「ほめてほしい」といった『承認の欲求』は子どもにとって,大きな励みとなります。子どものしていることをよく見て「ほめる」ことです。「ほめられたい」と思ったとき,ほめられた子どもは伸びるものです。けれども,「ほめる」ことが学習面だけに偏っていたら,子どもは,見えるときだけ,学習のときだけに限定された行動をとるようになります。生活面での努力や思いやりのある行動など,幅広く子どものよさを観察してほめることが大切です。これには,いろいろな場面でよさを認めてくれるという事実に裏打ちされた信頼感が大切なのです。反対に「悪いことかな」「おこられるかな」と思ってやっているときには,それが当人に納得が得られると判断したら,ハッキリと「しかる」ことです。感情的に「おこる」のではなく,説諭するように「しかる」ことです。これも,子どもが育つための大切なことなのです。「しかる」ときの原則は,「そのとき,その場で」「短時間で具体的に」「他の子どもへの影響を考えて」などがあります。もちろん,個別に事由が違いますから,対応は異なります。1子どもって承認の欲求を効果的に生かすことです。※伊東博『自己実現の教育豊かな人間性の育成をめざして』明治図書198011